つい最近、私は、塗料や接着剤や溶剤や洗浄剤などの代替品を自作するDIYレシピをまとめようと思い立った。また、お金を節約できて、自分に合った特別な道具なども探している。私のFacebookのネットワークでも、聞いて回っている。そこで、私が見つけた優れた代替品のアイデアをいくつか紹介しよう。
PTFEテフロン・グリルマット(クラフトに使える)
数年前、私はテフロンを使った「クラフトマット」というものを見つけた。PTFE(ポリテトラフルオロエチレン樹脂)でできたシートで、ほとんど一切のものが付着しない。ホビーやクラフトなど、あらゆる製作活動にはうってつけの、理想的な作業面を提供してくれる。それ以来、私は片方にはこのテフロンマットと、もう片方には切っても切れ目がふさがるカッティングマットをかならず用意して作業していた。しかし、このマットの別の使い方を知ったのだ。テフロン・グリルマットのCMを見たときだ。グリルの上に敷いて料理すると、小さなものが下に落ちたり、グリルが汚れずに済むという商品だ。それを敷いても、食材にはグリルの焼き跡がつく。最初に買ったメーカー物のクラフトマットに、私は13ドルという大枚を叩いている。そのマットが、ノーブランドのPTFEグリルマットとまったく同じものであり、Amazon.comなら(Primeを利用)8ドルで5枚も買えることを私は発見した。メーカー物のグリルマットでも1枚5ドルだ。それも、ノーブランドのマットと同一のものだ。だから、必要以上にお金を使うことはない。これで十分だ。すごく便利だよ。
エアブラシクリーナー液
初めてエアブラシを買ったとき、私は9ドルで16オンス(約470ミリリットル)入りのエアブラシ用クリーナー液を買った。最初のころ、それを使うと「なんか、車のウォッシャー液みたいな匂いがするなぁ」と感じていた。ネットで調べてみると、驚いたことに、それはウォッシャー液と基本的に同じものだった。ネット上では、このクリーナー液を自作するレシピが山ほど紹介されている。そのどれもが、車のウォッシャー液(または窓用クリーナー液)、イソプロピルアルコール、グリセリン、蒸留水を材料にしている。私が支払った9ドルを使ってこのクリーナーを作れば、何年分にもなったはずだ。基本の配合はこうだ。235ミリリットルを作るとして、ウォッシャー液(窓用クリーナー液)30パーセント、イソプロピルアルコール10パーセント、グリセリンを10滴ほど。あとは蒸留水で薄めて分量に合わせる。窓用クリーナーを使う場合は、アンモニアの入っていないものがよいと言う人がいる。アンモニアはエアブラシに良くないからだ。一方で、Windexを何年間も使っているが問題ないという人もいる。Amazon.comでは、アンモニアを含まないGlass Plusの1リットル入りが3ドルで買える。ところで、SuperLubeなどのエアブラシ用潤滑剤は、基本的にはグリセリンのみなので、専用の潤滑剤を買わずに、グリセリンで済ませることができる。
マットメディウム薄め液
私のミニチュアのクオリティは、愛用のアクリル系ホビー用塗料を薄めて使うようになってから、飛躍的に向上した。水で薄める人も多いが、それではムラのない、なめらかで薄い塗装面を作るのが難しい。塗料を水で薄めると、顔料が溶剤や水から分離してしまうのだ。薄めても分離しないようにするには、マットメディウムを使った薄め液を使う必要がある。さまざまな作り方がたくさん公開されているが、基本的には、7ミリリットルのドロッパーボトルを使うとして、蒸留水をほぼ一杯に入れて、マットメディウムを5滴ほど垂らすだけだ。顔料が分離しない範囲で、いい具合に絵の具が薄められるよう、マットメディウムの分量を調整して欲しい。Flow Aidを数滴混ぜる人もいる。これも自作できる。6ミリリットルの蒸留水にグリセリンを5滴ほど垂らすだけだ。また、自分で作ったマットメディウムの薄め液にグリセリンを数滴入れるという方法もある。
5つの色からすべての色を作る
ゲームのモデラーにも絵を描く人にも、これはありがたい。シタデルカラー(他社製塗料でもよい)の基本的な5色だけを使って、すべての色を作り出すための表がここに載っている。さまざまなホビーやアートで使われている色が、これで対応できる。
私は、自分のFacebookウォールでDIY代替品のアイデアを募集した。ここに、その一部を紹介しよう。
自家製Sugru
Steven K. Robertsより:自家製Sugru – シリコンのコーキング剤とコーンスターチです(詳しい作り方はInstructablesにあります)。
植物用の殺虫剤
Ross Hershbergerより: ぬるま湯1リットル、ニームオイル大さじ1、液体かスチール石鹸大さじ1/2。植物に噴霧すると、カイガラムシによく効きます(カイガラムシはしぶといです)。動物にはほとんど無害です。
オリーブオイルでペンキ洗浄
Christos Liacourasより:数年前、両親の家のガレージの前でバスケをしていたら、お隣さんが現れました。両手がペンキで汚れていました。「ペンキ落としのテレピン油はないかい? この手じゃ家のドアノブに触れないから家に入れない」と彼が言うので、私は「それは油性のペンキ?」と尋ねました。彼は立ち止まって「そうだよ」と答えました。「わかった、それならオリーブオイルだ」と私は言い、キッチンのドアを開けて母に話しました。すると母は、ギリシャ系のお母さんならみんなそうするように、緑色のジャグに入れたオリーブオイルを持って出てきました。店で買ったオリーブオイルを、緑色のジャグに移し替えているのです(緑でなくても別にいいのだけど)。お隣さんは、びくびくしながら両手を出しました。そして母がその手にオリーブオイルをかけました。お隣さんは両手を擦り合わせると、ペンキがオリーブオイルに溶けてゆきました。お隣さんはびっくりしていました。ペーパータオルできれいに拭き取ると、彼は私と母の顔を、別の世界から来た人間であるかのように見つめました。古代の知恵を受け継ぐ人間たちであるかのように。
アセトンの除光液
Lenore Edmanより:私たちは、除光液という名前で売られているアセトンを、雑貨店で買っています(ちゃんとアセトン100パーセントと書いてあります)。地元の実験材料の取り扱い業者から買うよりものよりも、ポンプ式のディスペンサーが優れているからです(それにずっと安い)。私たちは、ホームセンターで売っている安い缶入りのアセトンを買ってきて、詰め替えています。
コーヒーフィルターの刺繍安定紙
Dave Daltonより: コーヒーのフィルターは、刺繍の安定紙(裏紙)の代用品として大変に優れています(詳しくは、こちらを。写真提供:Artfully Sew)。
プリント基板のための銅のエッチング液
Andrew Lewisより:塩化鉄溶液を使わなくても、塩酸(テラス用洗剤またはプール用消毒剤)に、3パーセント過酸化水素水(マウスウォッシュ)を混ぜれば、プリント基板用の銅のエッチング液ができます(塩素と過酸化水素水の割合は1:2)。旧友のStephen Hobleyは、ホワイトビネガーと過酸化水素水と塩という、さらに簡単に作れる液を推奨しています。
家にあるレジンの着色剤
Peter Brownは、このすごく面白い動画を教えてくれた。レジンのキャスティングに使用する着色剤として、いろいろなものを代替品として使う実験だ。粉の化粧品、クールエイド(粉ジュース)、マスタード、辛いソースなど。その結果にはきっとびっくりする。
滑り止め塗料
Andrew Lewisより:床やボートの船縁を滑らなくしたいときは、まず塗料を塗ったあと、まだそれが乾かないうちにプレイサンドを撒き、塗料が乾いたら砂をブラシで払うか、空気で吹き飛ばす。その上にまた塗料を塗ってやるといいです。
ゼラチンのジェッソ
ワシントンD.C.で活躍するアーティスト、Angela Whiteは、「Green Guide for Artists」という本を紹介してくれた。さまざまなアート作品に使える素材の、毒性のないDIYレシピ集だ。たとえば、ジェッソは、焼石膏または胡粉、ゼラチン、水、はちみつで自作できる。焼石膏または胡粉1に対して水1を混ぜる。それとは別に、ゼラチン1に対して水8の割合で混ぜておく。焼石膏または胡粉を水に溶かしたもの10に対して、ゼラチンを溶かした水を1加え、はちみつを数滴入れる。これを混ぜ合わせたものは、少し時間が経つと濃度が出てくるといった具合だ。
訳者より:自家製Sugruは、シリコンコーキング剤とコーンスターチを同量混ぜ合わせたものが使いやすいが、割合は調整可能とのこと。ただし、酢酸系のシリコンコーキング剤でないとうまくいかないと、RobertsさんのInstructablesに書かれています。
[原文]