数年前、Lawrence Hall of Scienceで開催されたOpen Makeに参加し、当時、Hacker Scoutと呼ばれていたプログラム(現在はCuriosity Hackedと改称されている)を推進するGarratt Gallagherの話を聞きました。そのとき、そこで示されたスライドには、私が何カ月間も頭の中で想像していたことが映し出されていたのです。それは、メイキングの地図です。彼はそれを「Hackerling Circuit」と呼んでいました。右の図がそれです。溶けたハンダの川が流れ、糸や抵抗がランドマークとなり景色を形作っているその地図を、私は大変に気に入りました。
その後、私はMaker Campのために、より内容の濃い地図のスケッチを描きました。下の図がそれです。これは、6週間のキャンプで、魔法のような楽しい体験から作られるはずの想像上のキャンプ場です。
Inspiration Point(インスピレーション岳)から Raspberry Pi Patch(Raspberry Pi 広場)、Infinity Pool(無限プール)を通ってThe Dougherty Dale(ドアティー谷)に至るこの楽しい世界をフルカラーで完成させたなら、メイキングの世界には、最高に楽しいポケットや冒険で満ちているということを、若いMakerたちに教えることができるようになると思います。
現在、多くの子どもたちが荷物を背負ってこの世界をハイキングしています。非常に多くの教育者たちが、もっと多くの子どもたちにメイキングを教えたいと新年の抱負を語っているのを聞いた私たちは、すでに学校でクラブやメイカースペースを立ち上げている教師たちの話をもとにまとめたメイキング教育の構造に関する考え方を広めたいと思いました。
私たちは、もっと細かいマップをMakerspace Playbookで公開しています。これは、makerspace.comから無料でダウンロードできるので、学校でメイキングを教えたいとお考えの方は、ぜひともMakerspace Playbookをお読みいただきたい。
メイキングの定義は難しく、学校でそれを教えるのも単純な仕事ではありません。教師の多くは、まず簡単な電子回路の製作や工作を行い、次にそれに関連するものへ進むという形を取っています。そのとき、どのようにして別の課題に移るか、そのアイデアを示したのが下の図です。
あなた自身、クラス、個々の生徒たちは、ひとつの分野を好きなだけ続けても構いません。たとえば、左下の緑色のボックスでLEDスローウィーと紙の回路を作ることから出発したら、もう少し複雑な回路に移行して、モーターを回したりブザーを鳴らしたりを行い、さらにスイッチにも挑戦するといった具合です。さらに、モーターの軸にバランスの悪いおもりを取り付けてスクリブルボットや単純なアートボットを作れば、そこからロボット工学やプログラミングに入っていくことができます。またはこんな道もあります。LEDプロジェクトの後に回路にブザーを追加し、音の出るサーキットに進む。そして、オモチャのハッキングを通してサーキットベンディングに進む。または、音の出る回路から楽器を作るという道もあります。あなたは子どもたちが興味を示す方向に従って、このマップの上を徘徊してください。
もうひとつの考え方として、クラスで素材を紹介するという方法があります。セッションごとにひとつの素材に絞っていろいろ試してみる。ここに示す12の素材や材料を使えば、何十通りものプロジェクトが思いつくでしょう。木材、段ボール、紙、布、金属、プラスティック、接着剤、インク/染料/ペンキ、LED、モーター、サウンド、マイクロコントローラー。
一度にひとつのスキルに集中するという教師もいます。ひとつのセッション、または1週間をかけてじっくりひとつのスキルを学んでから次に進むという方法です。クラスやクラブの子どもたちが、このおいしいバイキングで何をどの順番で取るかを、よく考えてやる必要があります。木工、ハンダ付け/溶接、手縫い、機械縫い、ニット編み/かぎ針編み/ノット編み、モルドとキャスティング、インタラクティブ・デザイン。あなたの好きなスキルもリストに加えましょう。
プロジェクトの内容に関わらず、子どもたちは、作ることを通してここに示す新しいスキルを体験する (そして習得する!) ことになります。
- 安全
- 計測
- デザイン
- 組み立て
- トラブルシューティング
- テスト
- 道具 (マルチメーターなど) の使い方
- 正しい工具の選び方
- プログラミング
- マッピング
- トラッキング
- 回路の読み方
- パターンの見つけ方
- スケッチ
- 文書作り
- 執筆
- 観察 (たとえばリバースエンジニアリングでの調べる力)
- 分解
- 修理
メイキングのさまざまなタイプ同士をつなぎ合わせる方法はMakerの数だけあります。もしあなたが何かを作るクラスを受け持っていたり、クラブの指導を担当しているなら、何をどう選択して子どもたちにやらせているかを教えてください。コメントに書き込むか、education@makermedia.comまでメールをいただけたら幸いです。
次回は、それぞれの枠に適したプロジェクトの探し方をお話ししたいと思います。お楽しみに!
– Michelle “Binka” Hlubinka
[原文]