2015.01.09
宇宙へハードウェアをEメール
3Dプリントしたソケットレンチを手に持つBarry Wilmore船長(写真提供:NASA)
世界初の宇宙の3Dプリンターが去年の9月にCRS-4 Dragonロケットで国際宇宙ステーションへ打ち上げられ、11月の終わりには、その最初のパーツをプリントした。それはちょうど、宇宙ステーションにエスプレッソマシンが届けられたときと同じころだった。
それからプリンターは一生懸命に働き、20個ほどのパーツをプリントした。それは地上に持ち帰られ、地上でプリントした同じものと比較されている。
宇宙でプリントされたものと対をなす地上でプリントされたパーツ(写真提供:Made in Space)
そして12月、クリスマスの少し前に、このプリンターはもうひとつの世界初を決めた。世界で初めて、地上でデザインしたツールを宇宙へEメールし、宇宙ステーションの宇宙飛行士に届けることができたのだ。
ISS船長のBarry Wilmore(Butchと呼ばれている)が、その工具を欲しがっていると聞いた私たちは、CADでデザインして送信しました。そのほうがロケットで届けるよりずっと早いからです。これが、ハードウェアを宇宙へEメールした最初の例となりました。 — Mike Chen(Made in Space創設者)
このレンチは、宇宙でプリントされた最初のものではないが、必要に応じてデザインされ、実際に宇宙飛行士が使用した最初のものとなった。
レンチを使っているところ。
ある意味、それまでにプリントされた20個のパーツよりも、このレンチのほうがずっと重要だと言える。これは、3Dプリンターが、そして新しい産業革命における他の即時的ツールが地球軌道上で、さらに火星で必要なのかを明確に示すものとなったからだ。
NASAはSTL ファイルを公開しているので、宇宙で初めてプリントされたこのツールは誰でもプリントできる。
[原文]