2015.02.05
MicrosoftがRaspberry Piのサポートを発表
次世代Raspberry Pi発表(Raspberry Pi 2 Model B)にともなって、Microsoftから、この新型ボードがWindows 10に対応するとの発表があった。
「Windows 10がRaspberry Piに対応できるようになって、私たちは大変にうれしく思っています。これは、Microsoftの製品とMakerのみなさんをつなぐ大きなチャンスです。Visual Studioツールチェーンが使えることも大きなプラスです」— Eben Upton Raspberry Pi財団CEO
新型Raspberry Pi 2の発表までは、Windowsの対応はないと言われていた。しかし、新しいボードはARMv6からARMv7へ移行したため、つまり、チップのアーキテクチャーがすでにWindows対応となっているため、それが可能になったばかりか、実現してしまったのだ。
Microsoftはすでに、Intel Galileo上で走るWindowsの配布でMakerコミュニティへの接近を始めている。ただし、Galileoはディスプレイに対応しておらず、RAMも256MBしかないため、このディストリビューションは、かなり機能を制限されたものとなっている。しかし、Maker好みの一部の機能については強化されているものもある。たとえば、MicrosoftのLightning機能だ。これは、GPIO処理をうんと速くするためのWindowsのリアーキテクチャーだ。
今のところ、まだWindowsがどの程度この新しいRaspberry Piに対応するのかはわかっていない。機能制限されたものになるのか、それとも普通にWindowsのユーザーインターフェイスが走るのか。問い合わせたところ、Microsoftは詳しいことは教えてくれなかったが、他のボード(Galileoなど)と「似たような」扱いになるだろうことを認めた。Raspberry Pi 向けのバージョンは、機能制限される。
Raspberry Pi向けのWindows 10がWindows Developer Program for IoTを通してMakerたちに無料配布されることはわかっている。しかし、それは今年の後半になる。
「数カ月以内に、IoT 向け Windows 10 に関する詳細を発表します」— Kevin Dallas、MS Windows IoT Group 統括マネージャー
はっきりとしない発表から察するに、Raspberry Pi用Windowsの開発はまだ初期段階のようだ。
WindowsのRaspberry Piへの対応からは、MicrosoftのSharks Coveボードへの疑問も生まれる。これは、MicrosoftとIntelとCircuitCoの合弁事業だ。299ドルという価格で、WindowsにもAndroidにも対応する開発ボードとして作られたものだが、実際はマーケティングの失敗によってRaspberry Piのライバルにもなれなかった。
Raspberry Pi対応Windows 10に興味のある人は、Window Developer Program for IoTサイトでデベロッパー登録をするといい。
更新: Ben Nuttallのコメントによると、Raspberry Pi用として出荷されるWindowsは、Intel Galileo版と同じように機能制限されたものになることが確実なようだ。
[原文]