2015.04.28
GEハッカソンにてArduino制御のコーヒーオーブンが優勝
ケンタッキー州ルイスビル、GEのFirstBuild施設で行われた家電品ハッカソンを見学した。家電品をどうやってハックするのかと疑問に思っているかもしれない。私もそうだった。それはうれしい驚きだった。みんなも驚くはずだ。
まずは施設の説明から
この施設はMakerの夢だ。いたるところに作業台があり、棚にはラベルを貼ってきっちりと工具が整理されている。計画を練るための会議室、金属を曲げたり木材を削ったりする大型工作機械や、レーザーカッターなどもあり、教室もある。プロトタイプ作りに必要なものは、すべてここに揃っている。FirstBuildの考え方が面白い。ここへやってきて、ツールを使い、専門家の指導を受け、家電品のプロトタイプを作る。ここで帰ってしまってもいいが、GEをとおしてそれを製品化することもできる。そこでただ何かを作るだけならGEの所有とはならないが、できれば、家電品のクラウドソーシングの場所として提供したいという考えだ。
ハッカソンを見た
このイベントでは、およそ6万ドル分の商品と現金がいくつかのチームに贈られる。スポンサーにはIntel、Atmel、ShopBot、MakerBot、Renesas、Cypressなど多くの企業が名を連ねている。面白い技術の使い方をしているチームに、それぞれのスポンサーから賞が贈られるのだ。スポンサーが個別に審査を行うため、賞をもらえるチームも多くなる。これはとてもうれしいことだ。建物の中にはたくさんの家電品が置かれていて、それぞれに、分解したり壊したりしてもよいものか、ソフトウェアだけがいじれるものかが記されている。うれしいことに、その両方が見られるのだ。そこには驚かされた。私は、参加者たちがGEのインターネット対応家電品のためのアプリを作るのだろうと考えて見に来たのだ。それは間違っていなかったが、ソフトウェアだけでなく、工房でのハードウェアの改造も見られたのが個人的には楽しかった。ほとんどの参加者が、物理的な改造を行っていた。
みんなはどんなものを作ったのか
ここから生まれたプロジェクトは、とっても面白いものばかりだった。どれも日常生活で使えそうだ。障害者のための手を使わずに開けられる冷蔵庫、声でコントロールできる家電品、赤ちゃんの部屋のためのインテリジェントなモバイル、オーブンで使えるコーヒー豆のロースター、ハーブ栽培システムなどなどだ。写真付きの受賞者のリストを見て欲しい。個々のスポンサーからは、多くの人が賞を受け取っていたが、その中で、賞金を受け取ったのは次の3つのチームだ。
1等:ROASTER(Rob Lewis、Joshua Longenecker、Ali Faraji-Tajrishi、Nick Dillon、Rick Suel)
GEの埋め込み式オーブンで、Arduinoを使ってコーヒー豆を正確にローストするというものだ。オーブンの温度を自動調整し、業務用のコーヒー豆ロースターの機能を模している。
2等:FIX OF WATER(Nelson Tanquero、Mark Shelton、Michael Large、Jose Padron)
GEの冷蔵庫の給水機を。モバイルデバイスやタブレットを通じて声でコントロールするというもの。彼らはGEの冷蔵庫の浄水器をハックして、未来の家電品のインターアクションを実現して見せた。
3等:CROCK WATCH(Jason Chodyniecki、Taylor White、Bill Piepmeyer、Keith White、Eric Sage)
Wifiに対応したクロックポットだ。離れた場所にいても、ビデオで確認ができる。アプリを使って遠隔操作でき、ユニークなビデオ機能で調理中の様子をモニターできる。その場にいなくても、料理が出来上がったらスイッチを切ることもできる。スロークッキングは流行りだが、今のクロックポットは一定の温度を保つことしかできない。家に帰ってから温度を調整したりスイッチを切ったりするようになっている。
FirstBuildとその未来
これらのアイデアの多くは、もう少し時間をかけて洗練された形で、いずれ市場に出てくるだろう。これらが実現して実際に使えるようになる日が楽しみだ。このイベントも大きくなるだろう。GE と Firstbuild から目が離せない。
[原文]