2015.06.05
GoogleがDIY 3D VRカメラリグを公開
カリフォルニア州サンフランシスコで開かれたGoogle I/Oの基調講演が、ビデオ製作者のための驚くべき発表で締めくくられた。この夏、GoogleはJUMPという新しいプラットフォームを立ち上げる。ステレオVRビデオの撮影、編集、公開を楽に行えるようにするものだ。
Makerにとっては、この発表でいちばんおいしかったのは、VR映像の撮影に必要な16台のカメラを取り付けるための装置の詳細が公開されるという点だ。GoogleのClay Bavorの発表によれば、そのオープンな設計図が夏に公開されるという。
「私たちが開発した装置には16台のカメラモジュールがあり、それが円形に配置されています。普通に市販されているカメラをこれに取り付けて使うことも可能です。基本的には、どのような素材で作ることもできます。私たちはプラスティックを使って3Dプリントしました。金属を機械加工して作ったものもあります。ためしに段ボールでも作ってみましたが、それでも使えました。
重要なのはその形状です。装置のサイズ、装着するカメラの台数、視野角、互いの映像の重なり具合など細かい部分の調整に長い時間をかけました。そして、私たちがそこから学んだことを、みなさんにもお教えしたいと考えています。そこで、Cardboardのときと同じように、その形状を、設計図とともに、この夏に一般公開しようと考えました」 – Clay Bavor
画面左上のナビゲーションボタンを使って360度の映像を試してみてほしい。
その間、GoogleのローンチパートナーであるGoProは、すぐにでもJUMP互換の16台のカメラを使 360度カメラアレイを販売する。その価格はまだ発表されていないが、GoProのカメラを16台揃えるだけでも、たいていの人のとっては目玉が飛び出すほどの金額になる。
うれしいことに、JUMPプラットフォームそのものはカメラに依存していない。GoProの装置は、カメラの露光と録画タイミングの動機という問題をコントロールしているように見えるが、Google I/Oのデモでは、プレゼンターのClay Bavorは、Googleのアセンブラーソフトウェア(複数のカメラアングルをつなぎ合わせる)が撮影後のさまざまな問題点を滑らかに処理するのだと話していた。
GoProが発売を予定しているGoogle JUMP互換の360度カメラアレイ
見るからに3Dプリントした感じのJUMPカメラリグは、Googleの公式JUMPウェブサイトで見られる
ステレオVR映像を撮影するための3Dプリントできるリグは、もう何年も前からオープンな形でいくつも発表されているが、映像の処理と視聴方法がネックとなって広がりを見せてこなかった。しかし、JUMPプラットフォームは、映像ごとのドットをつないだり、編集、公開、視聴までを手伝ってくれるため、VRビデオが一般的に普及させるものとなるだろう。
私は、JUMPシステムに組み込まれたGoProを使ってプロが製作した映像に感動を覚えたが、それ以上に、Makerも独自のリグを開発して映像愛好家のための経費をどんどん下げていってくれるという期待に胸を躍らせている。
[原文]