Crafts

2014.08.26

格闘モーションの3Dプリント彫刻

Text by kanai

アートはパワフルだ。このコンセプトを示すのに、実際の人間が格闘している姿を3D彫刻にするという方法をおいて他にあるだろうか。アーティストのEyal Geverは、その方法でアートのパワーを表現している。私も、Gaverと同じくそこに破壊の美が見える。彼の作品には、感情が高ぶる自動車事故のシミュレーションや爆発の瞬間の時間を延ばしたものが数多くある。3D Printed Kickと名付けられたこの作品は、インパクトからその後の影響までを衝撃に素直に仕上げたものだ。彼は自作のモーションキャプチャーソフトとビデオを使って、流動的で抽象的なアイデアを現実のものにした。エネルギーに満ちた瞬間のキャプチャーして完全に静止した作品に変換させる手法には、ただ驚かされる。

Geverの作品のよさが理解できない人のために、彼は、あらゆる人生経験から美を見つけ出すことがなぜ重要な教訓になるかを説明している。

「私の一連の作品は、私が製作するシミュレーションによる刺激的な出来事と、その物理的な存在感との関係性を感じるものです。これらの壮大な瞬間はシミュレーションから生まれ、アートに変換されます。……美とは、非常に奇妙な場所や、もっとも恐ろしい出来事から生まれることがあります。私の作品は、そうした破壊と美、相対するものへの衝突、恐れと魅力、誘惑と裏切り、もっともやさしい暴力から、もっとも破壊的な繊細さに至るまでの心象を示しています。それらの両極端の間を行ったり来たりしているのです」

3Dプリントの技術は日に日に発達し、私たち人類のもっとも大きな技術的進歩の一角を担うことになるだろう。Gaverのような試みによって、想像すらできなかったことが現実となる。そんな彼の作品や3Dプリントのことを、私たちはどう考えたらよいのだろう。みんなの意見を3D Printed Kick Forumで聞かせてください。(3DPrintより)

– Julia Mattonen

原文