2015.09.11
54ローターの飛行機を作った男
イギリス人YouTuberのgasturbine101は、彼が作ったSwarm Manned Aerial Vehicle Multirotor Super Drone(ペンタコンタカイテトラコプター:54プロペラのマルチローター)の映像を発表した。この無法な乗り物を約10分間飛行した。高度は平均して4フィート(1.2メートル)から6フィート(1.8メートル)といったところだが、一度だけ20フィート(6メートル)ぐらいまで上昇する場面がある。ただしそれはほんの数秒間だ。このテストから彼は、ヨー・オーソリティー(横方向のコントロール)と、テールローターの必要性を感じた。
製作に関して彼はこう書いている。
二重反転プロペラで私が見つけられた最大のものが18インチ(45センチ)だったので、それでレイアウトがほぼ固まった。またファインピッチのため高速回転が可能で、同じ電力でも軽いモーターで対応できた。モーターのKV値は、4セルバッテリーで20パーセントの制御用マージンを取って使うこととした。マージンを小さく抑えることで、ESC(電気速度調整)効率を最大にまで引き出せる。マージンを大きくすると、ESCとモーターへの電流の配電損失が大きくなり、バッテリーの持ち時間が短くなってしまう。
モーターが54個というのは、六角形にきれいに収まるからだ。中央にあと6個付けることができる。18インチで5000rpmのプロペラは大変に危険なのが、65インチ(1.6メートル)のものよりはずっといい。重量が1キロ未満で低電力5インチ(12センチ)の逆ピッチのプロペラなんて、どこで手に入る? 54個が、もっとも故障の多いメカニカル部分とパワー制御用電子回路にとって、冗長さ加減がちょうどいい。すでに、ひとつのECSが故障した。制御部分は、完全冗長型(9 x KK2.15s)にできたので、残る不安要因はコントロールスティック(パイロット)だけとなった。冗長型にすると故障要因は増えるのだが、故障による影響は少なくなる。
プロペラは標準的なラジコン飛行機用のものだが、本来の推力(回転数)よりも抑えて使っている。そのため、信頼性は高いが、不必要に重い。頭の上のポリカーボネート性ドームは、頭を保護するためのものだ。それが対地効果を生んで、いくらかの揚力になっている。雨のときは傘にもなる。
バッテリー、ESC、モーターは、配線の重さを最小にするために、なるべく詰めて配置してある。30アンペア用の線なのでかなり重いのだ。また、バッテリーが振動を抑えてくれている。バッテリーの減り方はまちまちだ。前と後ろのグループはピッチ調整に使われる。今のところはロールよりもよく使う操作だ。
Swarmのこのほかのビデオや製作途中の写真などは、gasturbine101のYouTubeチャンネルで見られる。
[原文]