Electronics

2016.03.09

心電図が見えるスマート名刺

Text by Cabe Atwell
Translated by kanai

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仕事の関係で情報を交換する際に、今でも名刺はひんぱんに使われている。しかし、その後に連絡がほしい場合は、しっかりと目立つ名刺でないといけない。その点、MobilECGは、医療業界人への印象の付け方をよくわかっている。

MobilECGはハンガリーのスタートアップだ。医療診断用のオープンソースの心電図(ECG)ソフトウェアを開発している。ECGを知らない人のために説明しておくが、人の心臓の鼓動を折れ線グラフで示すものだ(ドラマの病院のシーンなどでよく背景に置かれているやつだ)。Mobile ECGは、その実際に機能するECGを搭載した名刺を作ったのだ。

cardpcb

electroCARDiographと名付けられたこのカードの金色の接点パッドに両手の親指を置く。すると小さなディスプレイに心電図が示される。ただし、これは病院で使うECGとは別物であることを注意しておきたい。

カードにも、この会社のブログにも明記されているが、このカードには診断に必要なだけの細かいデータは表示できないという。MobilECGではこれをおもちゃと称しているので、そのつもりで使おう。

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現在は、一般向けに販売する前段階として、どれだけの需要があるかを調査しているところだ。価格は29ドル前後を予定している。いい値段だが、医療業界で相手に強い印象を与えたいと思うなら、それなりの価値はある。

電子工作に自信のある人なら、自分で作ることもできる。すべての回路図とコードはダウンロード可能なファイルとしてGitHubで公開されている。

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名刺に技術を盛り込もうとしているのは、このハンガリーの会社だけではない。オレゴン州のプログラマー、Kevin Bate は、懐かしいゲームボーイの形の名刺を作った。その名もArduboyだ。Arduinoを使っているからで、テトリスがプレイできる。

これには小型の有機ELディスプレイが使われていて、静電タッチボタン、スピーカー、交換可能な電池が含まれている。電池は約9時間保つ。Arduboyは39ドル。高機能なテトリス、MicroCardは49ドルだ。

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ここ数年、クリエイティブな名刺を考える人が増えてきている。精密なアート作品だったりレゴフィギュアだったり。テクノロジーを組み込んで、複雑で高度な名刺に興味を持つ人が増えれば、今後、もっとイノベーティブでユニークな名刺が見られるようになるだろう。

原文