2016.04.21
ゴールデンウィークに作りたい電子工作キット3選
もういくつ寝るとゴールデンウィーク。今年は何を作るか、もう決まってますか? まだの人に向けて私のオススメをお伝えします。
ひとつめはサンハヤトの『Arduino用ドットマトリクスLED&マイクシールドキット』。ちょうど1年前に発売された製品なんですが、去年は紹介しそびれてしまったので、今年の筆頭にあげます。Arduinoに8x8マトリクスLED、マイク、アンプ回路を追加するシールドです。対応機種はArduino UnoとLeonardo。
基板と部品のキットです(Arduinoボードは含まれません)。キレイな基板ですね。シールドを作るときは、ヘッダピンをまっすぐ付けるのに手間取ることがありますが、基板と部品の精度が良いのか、すぐに出来上がりました。ハンダづけに慣れている人なら30分程度で作れるでしょう。
完成した状態はこんな感じ。ゴールデンウィークが待てず、作ってしまいました。サンプルスケッチがよくできていて、楽しく遊べます。どう遊ぶかは、下記のサンハヤトによる動画を見ていただいたほうがいいでしょう。
このスケッチは、サポートページで公開されているマトリクスLEDライブラリのサンプルとして提供されています(サポートページ)。ライブラリ化されているので、このシールドの機能を自分のスケッチで活用したいときにも便利そう。
次のキットは実用性とコストパフォーマンスの観点で選びました。共立電子ワンダーキットの『ハンダゴテ温度計キット』なら、完成品を買うと数万円はするコテ先温度計を数千円で手に入れることができます。
先ほどのシールドと比べると部品数が多く、熱電対の取り付けや使用前の簡易校正も必要なので、製作時間は1時間以上見ておいたほうがいいでしょう。なお、この熱電対は白光のコテ先用K型熱電対を使用しているようです。
こちらもゴールデンウィークが待てずに作ってしまいました。電源は9V電池。コテ先にハンダが載っている状態で熱電対の中心にあてると温度が表示されます(上の写真では気温が表示されてますね)。ハンダゴテの温度調整機能で設定した値と表示される値がかなり違うのがわかります。コテ先の形によっても変わるようです。簡易的な測定器ですが、自分のコテの状態を把握するのに役立つのではないでしょうか。
3つめは書籍型のキット。圓山宗智著『FPGA電子工作スーパーキット』(CQ出版)は、AlteraのFPGA “MAX10“を搭載しているメイン基板とPICマイコンを搭載しているコンフィグレーション用基板、開発ツールを収録したDVD、そして詳細な解説書からなる入門者向けのパッケージです。主役であるMAX10の特徴は次のように説明されています。
「FPGAコンフィグレーション用ROMを内蔵し、3.3V単一電源のみ供給すれば動作する、さらには手作業でのはんだ付けも可能なQFPパッケージも用意されているなど、使い勝手の良いデバイスが登場…(中略)…Altera社デバイスとして初めてA-Dコンバータも内蔵されました」
ちなみに、私に一番刺さったのは本文中の「MAX10はFLASHメモリ内蔵マイコンを自作できるFPGA」という見出しで、このフレーズにMAX10で始めてみようと思った理由が凝縮されてます。
開封すると、青い基板が2枚出てきます。MAX10、大きいですね。でも、MAX10以外の部品はほとんどありません。この基板を使用するためには、ユーザーが自分で他の部品を調達し実装する必要があります。コンフィグレーション基板で使うPICマイコンも自分で用意しないといけません。PIC派の人なら手持ち部品でなんとかなるかもしれませんが、そうでない人は、本を読んで必要な部品を確認したあと、不足分を買い物することになるでしょう(マルツオンラインで部品セットを販売中)。なお、PICにプログラムを書き込むライターは必要ありません。MAX10基板がライターとして機能するようあらかじめプログラムされているとのこと。
270ページある書籍に従い、基板への部品の実装から始めて、各種ツールのインストール、FPGAらしい論理記述によるLチカ、そしてソフトウェア的なマイコンであるNiosIIによるLチカまでのすべてを体験しようとすると、かなり時間がかかると思います。ちょっとした挑戦になりそう。他のキットは待ちきれず作ってしまいましたが、このキットについては、基板をしげしげと見て、書籍をパラパラと流し読みしただけです。ゴールデンウィークに突入したら、改めて買い物からスタートしたいと思っています。