Electronics

2017.06.29

Raspberry Piで使う雷センサー

Text by Takumi Funada

石川宏さんのナチュラル研究所では、環境センシングに関する豊富な知見と実験データが公開されている。近年はRaspsberry Piを使った作例も加わってきた。ここでは、雷センサー”AS3935″のプロジェクトを紹介したい。

FranklinLS

このセンサーは秋月電子がブレークアウトボードの形で販売していて(商品ページ)、一見とても扱いやすそうに見える。しかし、相手が雷だけに、実験が難しい。筆者(船田)も一度は試したが、うまく動いているのかどうかわからないままお蔵入りにしてしまった。周囲の経験者からも同様の意見を聞いたことがある。

石川さんは、豊富な気象観測の経験と知識に基づいてこのセンサーを実装し、実験の結果から実用性アリと判断した。下記のグラフがその観測結果。

franklinGph

横軸が時刻、縦軸は雷の発生数とその距離。午後3時頃、30km離れた地点の落雷を観測したのが始まりで、午後5時頃には1km以下の範囲で5分間に47回の落雷があり、午後6時頃に収まったことがわかる(詳しい解説)。面白いデータだ。直近の観測データはデジタル日野気象台で公開されている。

Pythonのソースコードやキャリブレーション方法を含む実装の詳細については、下記のページで公開されている。

ナチュラル研究所:RaspberryPiによる雷センサー

石川さんのこの記事のおかげで、この夏もう一度、このセンサーに挑戦してみようという気になった。