2017.08.05
Maker Faire Tokyo 2017開幕 ― 恒例の初日フォトレポート
ついに開幕したMaker Faire Tokyo 2017。今年も日本各地だけでなく海外から多くのMakerが集まってきて、お祭り騒ぎを繰り広げている。初日に会場で目に付いた作品を紹介しよう。
Bottled Circuit & Machine
O’Baka Projectによる、ボトル・シップならぬボトル・サーキット。ボトルシップのように部品をすべてビンの口から入れて、中で組み立てている。製作期間は1週間ほどだが、ビンの中で組み立てるためのシミュレーションなど事前の準備に2週間ほどかかったという。今はさらに発展させたボトル・マシンに取り組み中。可動部に必要なネジのレイアウトなど課題が多いそうだ。(E-08-03 O’Baka Project)
Programable Bredboard
ジャンパー線ではなく、ソフトウェアから配線をコントロールできるブレッドボード。ボードの裏側に100個以上のスイッチとArduinoがあり、PCからマウス操作で結線したいソケット同士を結ぶだけで回路が作れる。東芝の社内スタートアッププロジェクトによって開発されたものとのことで、ビジネス化も検討中。(E-07-05 つくるラボ)
GO!CATCHER!!!
香港の企業、Animae Technologies Limitedが出展した、ゴキブリを捕まえるARゲーム。ゴキブリ捕獲器のミニチュアペーパークラフトを使い、ARアプリ上でゴキブリを捕まえるゲーム。子どもからは歓声が、女性からは悲鳴が上がっていた。(E-15-04 Animae Technologies Limited)
GIFカメラ
Raspberry PiとiPadを使った、2コマのGIFアニメを簡単に撮影できるカメラ。iPadからカメラを操作し、写真を2枚撮影すると、自動的にGIFアニメにしてくれる。できたGIFファイルは、特設ウェブに自動的にアップロードされるのでSNSなどで簡単にシェアできる仕組み。(E-06-03 projectOTO)
パーソナルエアコンパワードスーツ
宇宙服のようなヘルメットの後頭部にペルチェ素子とファンが付いていて、内部に涼しい空気を送り込むことができる。LEDやヘッドアップディスプレイ風の飾りなどついているが、涼しい以外の機能はない。リコーの社内ファブスペース「つくる~む」のメンバーの作品。(E-06-02 つくる~む)
花粉観測器「ポールンロボ」ほか
民間気象情報会社のウェザーニュースが開発した、オリジナル観測機器を展示。透明な球形のものは花粉観測器「ポールンロボ」。ベランダなどに吊しておくと、空気中に飛散する花粉を自動的にカウントして、結果をサーバーに送信する。全国に1,000個のポールンロボ設置が目標。ほかには、Raspberry Piを使った雷センサ、スマホと連動して気温や湿度などのデータを自動的に計測してスマホアプリで見られる「WxBeacon」などを展示している。(E-01-04 ウェザーニュースSOLiVE24)
歩く!前骨格ロボット
ペーパークラフトと紙粘土でできた骨格標本とストローや傘などありふれた素材をつかった、骨型ロボット。手足は棒によるアナログな操作だが、首の傾きと顎の開閉はサーボで作動している。(A-05-06 create_clock)
おバカクラッカーランチャー
MDFを素材にレーザーカッターで加工した、「クラッカー」を発射するためだけの数々の装置。四則で怪しい動きをしながら歩行し、サソリのような尻尾からクラッカーを発射するロボ。LEDがカラフルに明滅し、赤くなって連続点灯すると発射。クラッカーを9発搭載可能な大型ブラスターは、Raspberry Pi制御で音声でナビゲーションしながら、クラッカーの発射体勢に移行するが、部品が多すぎてクラッカーの発射機構が電流不足で動かないそうだ。(E-03-08 ウルカテクノロジー)
デジタルオートクチュール
薄い生地にビーズなどを刺繍し、LEDによって光る「KIMONO dress」。スマホから配色や光り方も変えられる。「MIDI scarf」は、刺繍などに混ざってボリュームやボタンが縫い込まれたスカーフ。MIDIインターフェイスに繋がっており、着用したまま演奏できる。(D-01-08 DiMOPAS)
オリジナル五軸加工機
千葉大学で建築技法を研究する平沢研究室が開発した、木材加工のための5軸加工機。コンピュータ制御によって、木材を精密に加工できるため、これまで木材では不可能だった複雑な意匠や構造の木造建築が可能になるそうだ。加工機で製作した木工パズルなども展示している(B-03-07 千葉大学平沢研究室)
魚ロボット
ワイヤレスで操作し、複雑な動きも可能なものから、子どもでも作れるゼンマイで泳ぐものまで、さまざまな魚ロボットを展示。とある自動車部品メーカーのものづくりサークルのメンバーによるもの。(E-03-13 FISH ROBOT Lab)
電磁盆踊り
扇風機を改造したギターのような楽器、ブラウン管TVを再利用した和太鼓など、古い電化製品から創作した楽器を使った盆踊り。11月には大規模な本祭り(https://eiwada.com/new-events/2017/7/26)を計画している。(I-01-02 和田永「エレクトロニコス・ファンタスティコス!」)
USB MIDIトリガーコンバーター
振動センサーなどからの信号をMIDIに変換して、なんでも打楽器に変えることのできるUSBデバイス「TC-1」を展示。メンバーはとある楽器メーカーの有志で、いろいろな音楽の楽しみ方を提案したくて開発したそうだ。(I-02-13 WOSK)
memeBRIDGE
メガネメーカーのJINSが開発したセンサー付きメガネ「JINS meme」を使って、「目の動き」だけでスマホなどを操作出来るようにしたシステム。アプリのソースコードも公開しており、再利用したアプリ開発もOK。(I-02-04 山本製作所)
車いす型ノリモノ Exo-Wheel
日常生活だけでなくスポーツなど複雑で素早い動きもできることを目指した車いす型の乗りもの。重心移動だけで前後左右に動くことができ、オムニホールで小回りも効く。「座る」や「乗る」というより「着る」に近い装着感だが、慣れないと非常に体力が必要。自動車メーカーのエンジニアが、業務外で開発したもの。(H-01-02 P-Robo204)