2017.08.07
Maker Faire Tokyo 2017レポート:ソニーがGPS受信機、ハイレゾ音源対応のオーディオコーデックを内蔵したIoT向けプロセッサ「SPRITZER」を初披露
ソニーセミコンダクタソリューションズがMaker Faire Tokyo 2017で初披露したのは、IoT向けプロセッサ「SPRITZER」を実装したマイコンボードのプロトタイプである。Arduino Nanoほどの小型の基板に各種のIOポートのほか、各種の地球測位システムに対応したGPS受信機、ハイレゾ音源対応のオーディオコーデックを内蔵している。
メイン基板とは別に、Arduino UNOとピン互換にする親基板も展示されている。これらを組み合わせてArduinoの各種シールドを利用できるようになるほか、LTE通信モジュールを装着して低消費電力なIoT機器として利用することも想定されている。
メイン基板(下段左)を親基板(下段右)に載せることで、Arduinoの多くのシールドを利用できるようになる(上段)
会場で展示されていたのはライントレーサー、手をかざすと再生が止まるスマート音楽プレーヤー、ドローン、ユーザーが走っているか、歩いているかなどをセンシングしてそれぞれに合った音楽を再生するスマートヘッドホンなど。
SPRITZERアプリケーションの開発はArduino IDEのほか、Eclipse IDEなどでも可能だ。オープンソースハードウェアとすることで、開発者の取り込みを狙っているという。
SPRITZERは2018年の発売を目指して開発が進められている。価格は現在のところ未定。
小型マイコンボードの市場は現在、ArduinoとRaspberry Piが二分している。ここに食い込もうと、先日ASUSもRaspberry Pi互換の「Tinker Board」を発表したばかりだ。そこへ新たに加わるSPRITZERは、小型で消費電力を抑えつつ高機能なプロセッサを搭載しており、ハイレゾ音源にも対応している。SPRITZERがIoT用途だけでなく、ユーザーの新たなアイデアをさまざまに引き出すことに期待したい。