Crafts

2017.09.19

Sarah Duyerの歩いて行きそうな陶芸作品

Text by Lisa Martin
Translated by kanai

Sarah Duyerのティーポットとカップのシリーズは、這いずり回る昆虫の脚を生やしたような姿をしている。このシリーズのタイトルはComfort/Discomfort(心地よい/気持ち悪い)と、まさにその形を言い表している。昔から人に温かい心地よさを与えるオブジェクトに脚を生やすことで、Duyerは形状を変化させただけでなく、それを見る人の感情まで変えてしまった。

「陶器は私たちの日常に溶け込んでいる存在ですが、その形状を変えることで、使う人に新しい感情や思い出を生じさせます。それには、ずっと使われることなく特別な日のために大切に食器棚に飾られているおばあさんのティーセットから、毎日の行動の一部になっている朝のコーヒーのマグカップまで含まれます。このシリーズで私は、伝統的な心地よい形状をまったく別物に変えることで、心地よさと気持ち悪さの分岐点を探ろうとしたのです」と Duyer は語る。

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ティーポットに脚を生やすためには、アーティストとして解決しなければならない面白い問題があった。「本体をしっかり支えることのできる強度があり、見た目に危なっかしい感じを与える脚を作りたかったんです」とDuyer。問題は粘土にあった。粘土は成形が楽にできるが、焼き入れを行うと脆くなるのだ。

「ティーポットの重さで壊れてしまわない脚の付け方を見つけ出すまでに、何度も失敗を繰り返しました」とDuyerは言う。その結果生み出されたティーポットは、えも言われぬ雰囲気の、なんとも危なっかしいシリーズとなった。

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原文