Crafts

2017.10.30

刺繍ソフトウェアの混乱した世界を理解しよう

Text by Caleb Kraft
Translated by kanai

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去年、コンピューター式の刺繍マシンが意外に安く、いいおもちゃになると私は知った。私が持っているBrother SE400で試して感動した。しかし、刺繍用ソフトウェアのエコシステムには大変にイライラさせられるところがある。そこで今回は、自分がどのソフトを使うべきかを解説していこうと思う。(日本語版編注:Brother SE400は、日本ではFamily Marker FM800として販売されていました。ただし現在は廃盤になっています。また、海外モデルと日本モデルでは仕様が異なる可能性がありますのでご了承ください)

だが、実際にソフトウェアに飛びつく前に、ちょっと状況を整理しておこう。刺繍ソフトウェアは1990年代から進歩していないように見える。すべてはモジュール式で、機能ごとに別売りという形になっているのだ。

モジュールとは

最低限必要となるのは、次の3つの「モジュール」だ。

デジタイザー – 画像や線画を刺繍に変換するソフト。編集や調整の機能はほとんどない。自動式と手動式とがある。初心者は自動式を好むが、手動式のほうがよい結果が得られる。調整機能の違いによって、さまざまなパッケージが発売されている。

エディター – 刺繍用に変換した画像ファイルの編集を行う。テキストが扱えるものは少ない。

フォント / 文字入力 – テキストを入れるためのソフト。フォントを読み込むのと違い、刺繍の場合はテキストはやや複雑な仕組みになっている。

このほか、各メーカーはファイルの整理やアイコンの生成といった補助的なモジュールを販売している。

たとえば、線画を刺繍に変換したいとき、まず「デジタイザー」が必要になる。しかし、変換した画像をさらに編集したいなら「エディター」も必要だ。そこに文字を組み込みたいなら、さらに文字用のモジュールが必要になる。刺繍用の画像ファイルの整理にアイコンを使いたいなら、それも専用のモジュールを購入しなければならない(1996年か!)。さらに面倒なことに、メーカーごとにモジュールの名前の付け方が異なる。つまり、刺繍を完成させるプロセスがさまざまで、販売されているモジュールの内容もばらばらであることに気をつけなければならないのだ。

私は長い間、デジタイザーだけを購入し、あとはPhotoshopでなんとかやってきたが、テキストをきれいに刺繍するためには、どうしてもフォントエンジンとエディターを買わなければならなかった。ここに、一般的な製品のリストを、簡単な説明とともに掲載する。どういうプロセスで刺繍を行いたいかをよく考えて調べることが重要だ。それから、どのモジュールを購入するかを決めるのがよい。頑張ってほしい。

始めよう

この記事は、これから始めて見ようという人に向けて書いている。初心者向けなので、予算は500ドル以下に抑えている。これよりもっと高いものもある。もしこれを仕事にしようと思うなら、もっと高価で多機能なモジュールを検討してもよいだろう。

SewArt, SewWhat, SewWrite

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エディター、デジタイザー、フォントエンジン、アイコンエンジンがある。

デジタイザーのSewArtは、非常にシンプルで安価だ。私はワッペンをたくさんデザインして、これで変換しまくった。自動と手動が選べるところがいい。オプションは少ないので、画像の品質に物足りなさを感じる人もいるだろう。

Embroideryware

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手動のデジタイザーだ(自動ではない)。つまり、デザインをなぞって、ステッチの設定を自分で行う必要がある。とても安価なので、趣味として使いたい人には最適だろう。

Embird, Embird Studio

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エディター、デジタイザー、フォントエンジン、アイコンエンジンがセットになっている。とくに目を惹くのは「スフマート・ステッチ」だ。ポートレートに使うとバッチリだ。使ってみたいのだが、ちょっと遊んでみるという価格ではないのが残念(基本プログラムとスタジオとスフマートを購入する必要がある)。

Embrilliance Essentials, Enthusiast, Stitch Artist

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非常に多くの種類が揃っていて、価格帯もさまざまだ。やりたいことが決まっていれば、そこから必要なものだけを選んで買えばよい。デジタイザー、エディター、フォントエンジン、アイコンエンジン、その他のモジュールがセットになったスイート版もある。

Digitize’N Stitch

シンプルな自動式のデジタイザーのようだ。ステッチが変更できる機能は限られている。

Embroidermodder

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フリーのオープンソース・ソフトウェアだ。エディターのみで、デジタイザーはない。残念ながら、私が持っている4台のコンピューターのどれでも起動できなかった。なので、お勧めはしない。

他には?

500ドル以下という価格帯で、この他にもいい製品はあるだろうか? もし使ったことがあるという人がいたら、ぜひ教えてほしい。このリストを初心者のために、もっと充実させたいと思っている。

原文