2018.06.04
レンタル電動スクーターをこじ開けたらParticle Electronが出て来たという話
他の都市と同じく、サンフランシスコもドックレス(専用の置き場 “ドック” を持たないスタイル)の電動スクーター・レンタルの普及拠点になっているため、夜になれば、歩道やアパートの玄関先などに、不法投棄に見えるけどじつはそうじゃない乗り物で埋め尽くされる。これを、道路の渋滞を緩和する健全な現象だと賞賛する人もいれば、街が汚れるだけだと感じている人もいる。ある行政担当者は、サービスを提供する企業にスクーターを歩道に置くことを認める許認可制度が確立するまでは、それらを排除することも考えているという。
ベンチャー投資を受けて成長するレンタル電動スクーターのビジネスには、それに関する不快な話や画像も増えてきた。ブレーキラインを切断されたり、オークランドのメリット湖に投げ込まれたり(これは自然破壊だ。頼むから止めてくれ)。
しかし、こうした野蛮な行為から面白いことがわかってきた。彼らの “島” はMakerコミュニティに近いということだ。Birdスクーターを分解した画像がTwitterで流れてきたが、その電子回路にはParticle Electronボードが使われていた。LTEに接続できるマイクロコントローラーだ。これはおそらく、Bird社が提供するアプリでスクーターのロックを外したり、スクーターの位置を把握するために使われているのだろう。誰かが中を覗こうとしたら、その情報が本部に届くということもあり得る。だから、スクーターをこじ開けてボードを盗もうなんて考えは、捨てた方がいい。それは犯罪だし、なんと言ってもMakerにあるまじき行為だ。
Someone clipped this Bird’s wings. #cappstreet
Cc: @scooteridiots pic.twitter.com/HQuQBHCn7a
— Capp Street Crap (@cappstreetcrap) 2018年4月11日
こうしたドックレス・スクーターや自転車は、世界中で使えるようになっている(そもそもこのコンセプトはヨーロッパとアジアで生まれ、後にアメリカに輸入されている)。つまり、こうした乗り物が世界中にごまんとあるということだ。そのうちどれほどがParticleボードやMakerフレンドリーなデバイスを使っているのかはわからないが、とにかく先に進んで後から調整するという今どきのビジネス戦略から考えると、多くのスクーターや電動自転車に使われているツールにラピッドプロトタイピングの技術が活かされていると考えるのは妥当だろう。他にも情報を持っている人がいたら、教えて欲しい。
[原文]