Fabrication

2019.02.12

瞬時にして物体が現れる実験的3Dプリント方式

Text by Caleb Kraft
Translated by kanai

3Dプリンターが動いている様子は、今でも十分に驚きであり、目を奪われる。人が集まる場所に3Dプリンターを置いて、プラスティックのレイヤーが重ねられてゆく様子を披露すれば、近くで見ようと、かならず大勢の人が群がってくる。プリントには時間がかかるのが普通だ。長いときでは完成までに数日ということもある。しかし、この新方式なら、液体が入った容器の中で、ほんの数分間でオブジェクトができあがる。

この記事によれば、そのプリンターはカリフォルニア大学バークレー校とローレンスリバーモア国立研究所とで共同開発されているという。

プロジェクターの光でUVレジンを硬化させる普通の光造形プリンターに似ているように見えるが、この方式ではその要素の使い方が違っている。レイヤーごとにオブジェクトを組み上げてゆくのではなく、グレースケールの画像で構成された動画ファイルを回転する容器に投影することで、そこにオブジェクトが「出現する」のだ。

その光景には息を飲むが、プリント結果はまだまだだ。だけど、最初のMakerbot Cupcakeの出力結果がガタガタだったことを忘れてはいまい。レジンを使う家庭用のプリンターも、最初はそうだったことを憶えているだろう。近い将来、このシステムが洗練されて家庭で使われるようになったとしても、私はとくに驚かない。

この方式の詳しい仕組みを知りたい方は、技術的な解説をしているScience Magazineをご覧いただきたい。

原文