Other

2019.07.29

こどもエンジニアもんだいかいけつアイデアコンテスト受賞作発表! 最優秀作は、苦手な音を変換する「音変換イヤホン」に決定!

Text by editor

小学生を対象に家族など身近な人や学校、地域、そして世界の問題への関心を高め、自分たちでも解決できるという視点と自信を子どもたちに身に付けてもらうことを目的とした「もんだいかいけつアイデアコンテスト2019」。前回を大きく上回る331件の力作が寄せられ、その中から受賞作が決定しました。審査員のコメントとともに紹介します。

●最優秀賞「音変換イヤホン」

▶︎日常の音環境という、ともすれば見過ごしてしまいがちな問題に対して、素直にアプローチしているのが良い。個人としてのニーズを出発点に、公共空間におけるポータブルオーディオの再定義を考えさせてくれる。— 久保田晃弘(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)
▶︎自分には苦手な音があるということ、友達も違った音に苦手意識を持つということを受けとめ、どうやったら暮らしやすくなるかを考え抜いたアイデアが素晴らしい。特に快、不快を脳波で検知する仕組みは実現しそうです。— 平井聡一郎(株式会社情報通信総合研究所 ICTリサーチ・コンサルティング部 特別研究員)

●優秀賞(高学年部門)「海中プラスチック回収機」

▶︎魚にとっての問題を魚型ロボットによって解決しようという、人型ロボット的なアイデアが新鮮だ。だからこそ、スクリューではなくヒレを動かして欲しかった。魚と一緒に捕獲することで、ゴミを回収できるかもしれない。— 久保田晃弘
▶︎最近、話題になっているマイクロプラスチックなどの海洋汚染の問題を、回収ロボットで解決しようとしたアイデアです。他の魚に食べられないような工夫や大きなゴミの処理まで、起こりうるトラブルの想定が見事です。— 平井聡一郎

●優秀賞(高学年部門)「いっしょに「ヤッホー!」」

▶︎障害者だけでなく、高齢者にも必須の装置かもしれない。この装置で、孫と一緒に山に登れたら、きっと一生の思い出になるだろう。誰のための技術なのか、ということを、これからも考え続けて欲しい。— 久保田晃弘
▶︎アイデアの根源が、身体の不自由な友達に頂上の景色を見せてあげたいという思いだという点が素晴らしい。だから、工夫の一つ一つがその友達のことを思いやる気持ちで溢れています。つい夢中になって水を飲み忘れ、熱中症になったりするのを防ごうというアイデアは秀逸です。— 平井聡一郎

●優秀賞(低学年部門)「かきかきとんとんマン」

▶︎音によって睡眠を誘導してくれる装置はこれまでにもあったが、触覚に気が付いたことが秀逸だ。やさしくてリズミカルな名前もアイデアとフィットしていてとてもいい。この装置を使っている状況が目に浮かんでくる。— 久保田晃弘
▶︎単にかゆいところをかいてくれるのではなく、ねるまでトントンしてくれるというところに、小さな頃にお母さんにトントンしてもらった思い出があるのかなって思いました。そんな優しさが溢れるアイデアです。— 平井聡一郎

●優秀賞(低学年部門)「あんぜんみちあんないリモコン」

▶︎これでもか、とアイデアを詰め込んだ感じが、実現性を超越した力を感じさせる。リモコン(デバイス)単体で解決するのではなく、モバイル+ARで環境全体の中に情報を埋め込むアプローチはまさに現代のものだ。— 久保田晃弘
▶︎歩道でも車にはねられるという事故があったり、通学路にはいろんな危険があります。そこで子どもだけども安全に歩けるようにしたいという思いを具体化させてます。自分の視点で危ないところをよく見ています。また、アイデアを伝えるためのスケッチも素晴らしいです。— 平井聡一郎

●審査員特別賞(久保田晃弘)「ジュエルのようにすてきなじどうしゃ」

▶︎電気自動車をガソリン自動車と同じ形にしてしまう、頭の硬いエンジニアやデザイナーにこそ、このアイデアを真剣に考えてもらいたい。こんな自動車が街を走っていたら、どんなに素敵か。いつか必ず実現して欲しい。— 久保田晃弘

●審査員特別賞(平井聡一郎)「My Totte」

▶︎一見すると、持ちやすくするための実用新案みたいに見えるけど、握力が弱い人、指の短い人というハンデキャップを持つ人のためという思いやりにあふれたアイデアが光ります。特に手の大きさに合わせることができるという汎用性、空気圧を使って吸着させるというアイデアは見事です。— 平井聡一郎

●STEMON賞「昆虫はかせ」

▶︎大好きだからいつも手元に置いておきたいという思いと、命を奪ってかわいそうという優しい気持ちの葛藤を、テクノロジーで解決する人間味あるアイデアに感銘を受けました。— 中村一彰(株式会社ヴィリング 代表)

●Maker Faire Tokyo賞「熱中しょうぼうし」

▶︎今の技術で解決できる、地に足のついたアイデアをわかりやすく説明しています。Maker Faire Tokyoに参加しているメイカーに、いつか実現してほしいと思いました。— Maker Faire Tokyo事務局

その他の応募作品も力作ぞろい。Maker Faire Tokyo会場にて展示を行います。また、8月4日(日)10:30-11:00には、Make: Classroomにて入賞者の表彰式が行われます。ぜひご来場ください。


Maker Faire Tokyo 2019の前売券は、ローソンチケットイープラス、そしてセブンチケットにて好評発売中(前売:大人 1,000円、18歳以下 500円、小学校未就学児は無料)。前売券をご購入いただいた方には、オリジナルステッカーをプレゼント!