2014.01.15
新型Cube 3 / CubePro登場
このところ、3D Systemsは忙しい。12月の始めにABS、PLA、HIPSのフィラメントのトップメーカー、Village Plastics Coを買収して、先週はGentle Giant Studiosを買収して膨大なデジタルコンテンツのライブラリーを手に入れた。そして今日、最新型デスクトップ3Dプリンター、Cube 3とCubePro、そして、一般消費者を対象に、いろいろなブランドとタイアップした、販売用、業務用、家庭用などの有料3Dコンテンツを提供するプラットフォーム、Cubify 2.0の開設を発表した。
Cube 3
デュアル・エクストルーダー、混合素材プリント、自動レベル調整機能付きで1000ドル以下
MAKEの『2014 Ultimate Guide to 3D Printing』で、テスト担当者がプリンターメーカーに提言を行った。そのなかに、「プラットフォームとノズルのレベル調整などの機能を自動化することが、すべての3Dプリンターユーザー、とくに初心者が抱える問題の解決に大きく役立つだろう」というものがあった。その意味でも、3D SystemsがCube 3に自動レベル調整機能付きのベッドを採用したことは大いに歓迎される。
Cube 3のおもな機能は次のとおりだ。ABSとPLAとの同時混合プリントと2色同時プリント。IEC 60950プリンター安全基準に適合(子どもにも安心)。“インスタントロード”カートリッジシステム。高速WiFiとブルートゥースの採用で接続速度が他機種の2倍になった。
前モデルのCubeとCube 2と同様、Cube 3もクローズドソースだ。タッチスクリーンのインターフェイスを備えるが、ベッドは過熱式ではない。3D Systemsの独自の “Cube glue” を使ってABSプリントをベッドに固定するようになっている。Cube 3はスタイルがよく、カラータッチスクリーンを備え、LEDバックライト付きパネルがプリント中のモデルを照らす仕組みになっている。プリント解像度は75ミクロンとより細かくなり、iOS、Android、Windows対応のCubify Print3Dモバイルアプリを使えば、どこからでもプリントができる。
最近まで、3Dプリンターは1000ドル以下のクラスになると、急激に性能が低下する傾向にあった。しかし、3D Systemsが、デュアル・エクストルーダー、混合素材プリント機能、自動レベル調整を1000ドル以下のマシンに追加したことで、2014年の3Dプリンターの標準が一気に高くなってしまった。
CubePro
トリプル・エクストルーダー、混合素材プリント、大きなプリント範囲を備えて5000ドル以下
Cube 3と同時に、CubeProも3D Systemsファミリーに加わった。価格は「5000ドル以下」とのこと。“プロシューマー”市場をターゲットにしている。トリプル・エクストルーダー、密閉型「温度調整式チャンバー」、75ミクロンのプリント解像度、「イージーフィード・カートリッジ」、275mm×265mm×240mmという大きなプリントスペースを備えている。これはどのデスクトップ3Dプリンターよりも大きい。バスケットボールの公式球がプリントできるサイズだ。
Cube 3と同じく、Cubifyモバイルアプリが使える。出荷時期は2014年7月から9月とのことだ。
Cubify 2.0
新型プリンター2台の発表に加えて、3D Systemsは、Cubifyサイトを完全な3Dプリント・ライフスタイルのプラットフォームに作り変えた。Mancave(男の隠れ家)、娯楽、ホームデコレーション、キッズ、ファッションなど、いろいろなカテゴリーがあり、幅広い消費者にアピールする形になっている。
これだけじゃない
新型マシン、新しいプラットフォーム、新しいアプリを発表して、1000ドル以下でデュアル・エクストルーダー、混合素材プリント、自動レベル調整を可能にした3D Systemsは、安価なデスクトップ3Dプリンターに期待できることを変えようとしている。Cube 3は、現在、ABSとPLAのみが使えるが、3D SystemsがVillage Plasticsを買収したことで、混合素材プリントが可能な新型プリンターでHIPSも使えるようになる日は近いかもしれない。
– Anna Kaziunas France
[原文]