2015.03.03
Makerおもちゃの見極め方
Makerムーブメントに相応しいおもちゃをどう見極めたらよいのだろう。私はそんなことを考えながら、2015 New Your Toy Fairを見て回り、あるアイデアを思いついた。私のアドバイスは、以下に挙げる疑問について自分で考えることだ。ひとつでも「イエス」があれば、そのおもちゃにはある程度のメリットがある。より多くのイエスが付けば、そのおもちゃの価値は高くなる。
・自分の手で何かを作るものか?
・それで作られたものは
・楽しいか?
・魅力的か?
・便利か?
・教育的か?
・創造的に改造したり、自分の思うような形にできるか?
・使い方がひととおりでなく、広がりがあるか?
・大きくなったときにも役に立つ技術や概念が身につくものか?
・ものを作ることに対する興味を高め、より高度なものに挑戦する意欲を与えるものか?
Makerおもちゃを作ろうとする動きを、Makerコミュニティが疑いの目で見てしまう理由はよく理解できる。子どもたちを、作ったりデザインしたり発明したりといった方向に導く創造的なおもちゃを開発することのほうが、単に箱に「Maker」と書くことよりも重要だ。おもちゃ業界は本当にわかっているのだろうか。それとも、ただそのレッテルが欲しいだけなのか。半端なMakerおもちゃは有害なのだろうか?
ものを作ったり、分解したりする経験が乏しい小中学生の年代の子どもたちと定期的に接する機会のある身として、私は、一般のMakerが思っている以上に、キットやおもちゃの有効性を受け入れている。もちろん、Makerの楽園で、相応の年齢に達してすぐに本物の工具を使ってスキルを磨くことがいちばんだとは承知しているが、「散らかす」という言葉が嫌われる今の社会では、そうした体験をしたいと思っている子どもたちにとって、おもちゃは、その雰囲気を味わえるだけでも意味があると思っている。ここに、Maker のためのツールとして、完全ではないがまあまあ使えるおもちゃを紹介しよう。
クレヨンカービング
Crayon carving(クレヨンカービング)はそれ自体がアート形式として存在する。クレヨラの新しいCrayon Carver(7月発売予定)を見たとき、去年、littleBitsのサイトで見たクールなクレヨン旋盤を思い出した。このおもちゃはクレヨンを回転させることができないので、ちょっとガッカリだが、針のような回転刃があり、文字や図形を彫ることができる。友だちや家族へのプレゼントにいい。これをハックして本式の旋盤に改造できないか見てみたい。それまでは、リビングルームに置いて、回転ツールとして使うのがいいだろう(回転刃には子どもの手を傷つけないようカバーがしてある)。
3Dプリント
おもちゃメーカーが子ども用の3Dプリンターを開発しているという噂は、もう何年も前から聞いてきた。これまで見たなかで、それにいちばん近いものは、3D Magicというブランドの3D Creation Makerのプロトタイプだ。歯医者が使うような、紫外線で硬化するジェルを素材にしている。付属の型の中に小さなチューブからジェルを絞り出す。ペットボトルなどから自分で型を作ることもできる。出来上がりは、3Doodlerで作ったみたいな感じだ。自分で描いたものからテンプレートを作るためのアプリも付属している。
これらのおもちゃは、本物のツールとして使えるだろうか。もちろん、それは無理だ。しかし、子どもにやさしく、本物よりもずっと安く手に入る。こうした製品は次々と登場し、子どもたちを本物のMakerにするための指導テクニックも進化している。このようなおもちゃにも、そのための役割を果たせるようになると私は信じている。
Toy Fairで見つけたものを、今後も紹介していく予定なので、目を離さないでね。
[原文]