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2015.07.28

MFT2015出展者紹介 ─ 3Dプリンターを好活用! 登山用立体デバイス「Geoph」

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登山をアシストするデバイス「Geoph」と3Dプリンターで出力した立体地形図

登山の楽しみを増幅させるデバイス、Mdesign Labの「Geoph」は、3Dプリンターをうまく活用して作成されている。大学院でUXのデザインを研究した三田地博史さんは、修了制作としてGeophを製作したそうだ。

手のひらに載るサイズのGeophには、3Dプリンターで出力した立体地形図がはめ込まれており、現在位置が赤いLEDで表示される。モード変更ボタンを押すと、あらかじめ読み込ませておいたルートや方角、これまで通過した経路なども表示できる。地点登録ボタンは現在位置の登録とボイスメモに割り当てられている。

Geophの特徴はなんといっても、立体の地形モデルから山の起伏を直感的に理解できるところにある。目の前のわずかな高低差にも敏感になり、この先がどうなっているのか把握しつつ進んでいけるという。自分のいる場所を鳥のように上空から見下ろしているような感覚が得られる。その結果、登山後も自分がどういう地形の中を歩いたのかが記憶に残りやすいと感じるそうだ。地形をより深く理解でき、登山の楽しみが広がるデバイスに仕上がった。

国土地理院が提供している3次元データを切り出し、Geoph向けの立体データに加工するWebアプリケーションもよく作り込まれている。立体データには地形モデルごとの「Geoph ID」を示す識別コードが刻まれており、立体地形図を本体にセットするだけで登山ルートが自動認識される。

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立体地形図を出力する範囲の指定やルートデータの読み込みは専用のWebアプリケーションで行う

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3Dプリンタで地形データを出力中

Geophを製作するまでの三田地さんの電子工作は、おもにブレッドボードやユニバーサル基板を使ったものだった。しかしGeophは登山に携行するデバイスでありコンパクトさが求められる。そこで初めてプリント基板を製作することにした。コスト削減のため、エッチングは自ら行った。基板にはチップLEDを16×16のマトリクスで合計256個配置する。このはんだ付けも手作業である。使用するLEDはできるだけ明るく、また光の広がる範囲が狭いものを選択している。

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手作業ではんだ付けした256個のチップLED

Maker Faire Tokyo 2015では、アート・デザインエリアのMdesign Lab(F-03-03)で、Geophの実物やエッチングした基板を見ることができる。

完成したGeophは現在のところ1つのみで、商品化などは考えていない。これまでに得られたフィードバックをもとにして、次のバージョンを作る予定とのことだ。

─ 今村 勇輔

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