Electronics

2017.04.07

Raspberry Pi Zero Wを使ったiPhoneサイズのLinuxターミナル

Text by Jeremy S Cook
Translated by kanai

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Raspberry Pi Zero Wを使って、内蔵Wi-Fi、Bluetooth、HDMI出力機能を持ったハンドヘルドのLinuxデバイスを作るというのは、じつにいい考えだ。簡単な作業に思えるが、それでもガイドがあると便利だろう。見事にデザインされたウルトラポータブルなLinuxボックスで参考にしたいなら、NODEのZero Terminalを置いて他にない。

Piの機能に加えて、このデバイスには完全なQWERTYキーボード、1500mAhのバッテリー、解像度480x320の3.5インチ画面が付いている。これらがすべて3Dプリントしたケースに収まっている。また、フルサイズUSBポート、mini HDMIポート、microSDカードスロット、micro USBポートも利用可能だ。フレームはiPhone 5のキーボードケースに接着されていて、スイッチはうまい具合にカメラレンズの穴の位置に収まっている。

下からスライドしてキーボードが出てくるiPhone 5のケースを利用したことが、このビルドの頭のいいところだ。おかげで全体の構造もとてもシンプルになっている。スライドしたり、折りたたみにしたりといったメカニズムを考えることもない。普通に買って来て使える。iPhone 5は発売されてからずいぶん時間が経っているので、このケースも安く手に入る。反対に、大量に出回っているiPhone 5用のキーボードケースなら、なんでも使えるということだ。

非常に巧妙にデザインされているこのデバイスだが、NODEによれば、デザインに長時間をかけて練り上げたので、実際の組み立てには1、2時間しかかからなかったという。また、キーボードケースに合わせてケースを3Dプリントするほうが、既存のケースを改造して使うよりも早かったそうだ(ひとつ前のバージョンではハードディスクドライブのケースを利用している)。

Makerプロジェクトとは、新しくてユニークなものを作るのが楽しいのだけど、すでにあるものを利用して、プロジェクトをよりよく、より安く、より簡単にするという道もあるんだね。

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これはNODEのポータブルなターミナルを作る3回目の挑戦だった。Raspberry Pi A+を使った最初のバージョンは、よく似ているが、ちょっと大きい。2つ目のバージョンは、Raspberry Pi 2を使っているが、最初と同じ折りたたみ式デザインだ。2つ目のバージョンの作り方は、ここで解説されている。

最新のバージョンと、バージョン1とバージョン2を比較して、NODEはこう言っている。「まだ改良の余地はありますが、全体として、これ[最新のバージョン]がいちばん気に入っています。これは出かけるときに持って行くサブのLinuxシステムとして使えるし、画面を繋げば普通のパソコンとしても使えます。テトリスもプレイできますよ」

これはとても見栄えがいい。この次に何を作ってくれるのか楽しみだ。彼はZeroを使ったシステムを考えているという。もっと薄くして、スマホサイズにするそうだ。機能を強化した(高解像度画面とか)Pi3版も考えている。

彼のアイデアをもっと詳しく知りたい方は、N-O-D-E.netまたは彼のYouTubeチャンネルを見て欲しい。

原文