Crafts

2017.04.10

ネズミとネコのための本物の鎧

Text by Donald Bell
Translated by kanai

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Jeff De Boerの金属を扱う手腕には、なんら驚くことはない。ブリキ職人の息子であるJeffは、早くからその芸術的才能を開花させた。また金属加工用の道具が使える環境にあっため、彼は高校の卒業式に着ていくための鎧を自作した。

現在はカルガリーに住み、ネコとネズミのための鎧を作るアーティストとして知られている。30年近く前、大学生のころに製作を始め、今ではその数を増やし、内容も洗練されている。

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「この危険な世界では、誰かが小さい者を守ってやらなければなりません」とJeffは言う。「それが、ネズミのための鎧を作った理由の1つです」

1984年、アルバータ美術大学に入った彼は、金属加工への熱情を紛らわすために、気が進まないままジュエリーデザインを専攻した。後に彼は、そこで習得した細かい加工技術が、ミニチュアサイズの鎧の製作に使えると気がついた。それでも、人形用の鎧を作りたいとは思わなかった。

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「本物の仕事をするためには、本物を作らなければなりません。そこで、小動物のための本物の鎧を作ろうと考えたのです」

どの鎧もみな異なるデザインで、それを作るための道具も特別に作った。ナイトが着るピカピカの鎧を作るときには、仕上げの研磨にとんでもない時間がかかった。

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「ある時間をかけて作ると、同じ時間を仕上げにかけます。これは科学です。研磨剤の選択です。仕上げの『なぜ』と『どう』をマスターするのには長い年月がかかります」

「仕上げは手品のようでもあります。完璧なものは作れませんが、そう見えるように人の目を騙すことが可能なのです」

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原文