子どものころから、私はインターネットで育ってきた。ただ、その当時はBBSと呼ばれていた。ひとつのデジタルスペースではなく、いくつものネットワークが独立して存在していたのだ。それは、基本的にテキストベースで、メディアの制約を受けながら芸術的な工夫によって構築された、ときどきつながる濃厚な世界だった。今でも、その当時の古いパソコンが、わずかではあるが残っている。よく探せば、Commodore 64やApple IIeの完動品を見つけることができるだろう。
昔のパソコン通信に興味のある人は、Textfiles.comを覗いてみるとよいだろう。私のお勧めは、アートシーンを集めたartscene.textfiles.comだ。現代のコンピューターからでも、昔から続くtelnetなどのオンラインシステムにアクセスすることが可能だが、私が長年夢見てきたのは、昔のパソコンをハックして、パソコン通信に接続し、懐かしい世界をたっぷり味わうことだ。
私にとって幸いだったのは、プロジェクトを先延ばしにしていた間に、インターネットで情報が充実してきたことだ。なかでも、古いパソコンをハッキングする元気なコミュニティがあり、小さなボードで現代の技術と昔のパソコンを物理的につなげることが容易になってきた。biosrhythmを運営するPaul Richardsは、ESP8266を使ってRS-232シリアル・ヘイズモデムを作るキットを30ドルで販売している。すでにボードを貯め込んでいる人のために、完成品も45ドルで販売されている。
互換性が確認されたターミナルのリストは大変に充実しているが、RS-232シリアルコネクター付きで、まだこのリストに載っていない古いマシンをモデムに接続できるように改造するのは楽しいかもしれない。ケーブルさえあれば、Commore PETも対応している。このレトロフューチャーな感じのマシンをリビングルームに置いて、ゆっくりと画像がスクロールする様子をお客さんに無理矢理見せるという私の夢が叶う。
Paulはボードを少しずつしか作っていないので、売り切れだったときは、何度も戻って確認するとよいだろう。Twitter(@paulrickards)でも在庫状況がアナウンスされるから、チェックしておこう。ターミナルの準備ができたら、telnet BBS Guideで活動中のBBSが体験できる。また、Vintage BBSでは、地域ごとのBBSを探すことができる。
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