間違いなく、Makerムーブメントの最大の利点のひとつに、個人の問題に合わせた個別の解決策を作り出す力があると思う。それは特に、障害を持つ人たちの生活の質を向上させる装置を身近なものにする活動に現れている。
Maliaは11歳の脳性マヒ患者だ。いつも笑顔で、とても明るく、人が話すことはすべて理解できるのだが、彼女が話す言葉は家族以外には聞き取りづらい。
これを改善するために、私たちはMaker Shareでミッションを立ち上げた。彼女の言葉を聞き取りやすくする発明をしようというものだ。
「私たちの可愛い娘、Maliaのような子どもたちは、話したいことや表現したいことがたくさんあるのに、普通の人たちにはわかってもらえません。助けが必要です」と、Maliaの母、Donnaは言う。Donnaは、Maliaが発する声を認識して、正しい言葉や表現に置き換えて伝える装置を期待している。彼女はそれをアーティキュレイター(発音明瞭化装置)と呼んでいる。
装置開発の手助けになるように、私たちはMaliaの音声と、それに対応する単語を添えた動画を42種類用意した。当然のように、このミッションではなんらかの言語装置が作られるものと私たちは期待していたのだが、まったく予想外のアイデアもあった。それこそ本当の発明と言えよう。たとえば、このミッションに最初に投稿されたGreem Feldのアイデアだ。それは絵文字を使ったアプリで、Maliaに絵文字による文章を書いてもらうというもの。彼の以前の作品をもとにしている。最初は、絵文字でコミュニケートするロボットを製作した。次に、そのロボットを使って絵文字辞書を書いた。それは、絵文字だけで構成された本となり、言語療法士に試してもらったところ、言語関連の問題解決の助けになることがわかった。
みんなは何を作る?
Maker Shareへ飛んで、アカウントを作って、ティンカリングを始めよう。投稿されたアイデアはMaliaがテストし、本人とその家族が気に入ったプロジェクトを選ぶ。勝者は次号の「Make:」本誌の記事として紹介される予定だ。
応募期限や条件については、Maker Shareで確かめてほしい。
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