Crafts

2018.02.27

ずっと見ていても飽きない200個のゴムボールが跳ねる音の彫刻

Text by Steven White
Translated by kanai

私はトム・ウェイツの曲が大好きで、奇妙な楽器を使った「謎の男」(What’s He Building?)に大きな影響を受けている。自作楽器についてあれこれ調べていたときに、Dennis Havlenaのことを知り(2008年のMakezineの記事を参照)、彼のウェブサイトにあった設計図を元に、古いプロパンガスのタンクから「ハンクドラム」を作った。

それ単体でもいい音がするのだが、私のためにそいつを演奏してくれる美しいマシンを作りたいと考えた。そして、いろいろなバージョンを試した。ピアノのハンマーを使ったものやレコードプレイヤーのモーターで動くものを作ったが、どれもうまく行かなかった。そこで、回転するドラムの上からランダムにゴムボールを落として鳴らす方法を思いついた。他のプロジェクトで使ったゴムボールが200個ほど余っていたのだ。これが大変にうまく行った。

見た目にも楽しいように、らせん状の線路を設計した。ボールは線路の上まで運び、下で回収する必要がある。そのためのリフトを、長い農機具用のチェーンに金属の輪を溶接して作った。回収システムは、ボールが跳ねて飛び出さないよう抑える仕掛けを考えるのに非常に苦労した。いろいろな部品の製作と調整、それに山ほどの試行錯誤に、一夏のいい季節を費やした。工房のあちこちに飛び跳ねるボールを、私は狂ったように追いかけ回した。今でも、とんでもない場所からボールが出てくることがある。しかしその結果、ずっと見ていて飽きないし、いい音がするスカルプチャーが完成した。

Superball-Drum-1

Superball-Drum-6

Superball-Drum-5

Superball-Drum-3

この作品は、2017年の8月にカナダ、オンタリオ州ミーフォードで開催されたElectric Eclectics Music Festivalの会場の穀物倉の中に展示した。詳細は私のウェブサイトを見て欲しい。

原文