2013.08.19
Yamaguchi Mini Maker Faire レポート
2013年8月11日、12日の2日間、山口情報芸術センター[YCAM]で、Yamaguchi Mini Maker Faire(主催:山口市、公益財団法人山口市文化振興財団)が開催されました。
この2日間、山口は最高気温38度という猛暑。暑さにも負けずたくさんの方にご来場いただきました。
会場である 山口情報芸術センター(YCAM)は、展示スペース、劇場、市立中央図書館を併設する山口市立の複合文化施設。Maker Faireをお目当てに来場された方の他にも、図書館を訪れた家族連れや地域の方々も多くみられ、なごやかな雰囲気でした。
ではここから、いくつかの展示を写真を中心にご紹介していきます。
Personal Cosmos。地球や惑星のデータを映し出すデスクトップサイズの球状ディスプレイ。プロジェクターから発する光を魚眼レンズに通して拡散し、球に投影するという仕組みです。とても単純な機構にも関わらず、美しい作品に仕上がっています。現在スマートフォンで同様のことができないか試作中だそうです。
ほいほい堂本舗さんのフライトシュミレーターのコントローラー。OpenStickという、ジョイスティックのコントロールソフトウェアを、プログラム言語を駆使せずに作成する事ができるツールキットを公開されています。大人も子供も夢中になって遊んでいました。
今回主催をされたYCAMさんに附属する研究開発チーム「YCAM InterLab」の展示。写真は、ローコストの慣性式モーションキャプチャーシステム「MOTIONER」をつけて身体の動きをキャプチャーしている様子です。
会場を動き回っていた、インターネットから遠隔操作できるロボット「dalek」。操作者の顔が投影されていて、delekの前にいる人と双方向でコミュニケーションを取ることができます。子供に愛嬌を振りまいていました。
福岡工業大学短期大学部の展示の一部。レゴで作った圧巻の「三松城」。ビー玉を転がしてゴールまでたどり着くゲーム。風雲たけし城のようです。「三松城は実在するのですか?」と伺ったところ、作者の方のお名前が三松さんなのだそうで…。
お次は、圧倒的な存在感を放っていた、「阿蘇カラクリ研究所」さんの作品。
コミカルおみくじマシン「アソカラスイッチ!」。スイッチを押すとカードが動き始めます。最も奥が大吉で、最も手前が大凶。どこまでカードが進むのか…ハラハラしながら見守り、ポンと「大吉」の文字が押されるたびに、「おお~」とどよめく子供たち。
懐かしのアイドルヒットソングに合わせて時間を告げる時報ロボ。何故かものすごい勢いで首が回ります。
写真の後ろの首も怖いです。
津田夏海さんの「ナッツの引き出し」。中学校3年生の時、受験勉強から逃げたくて(親御さんに隠れて)勉強机の引き出しの中にジオラマやNゲージをつくったのだそうです。Nゲージはコントローラーで操作可能。机の鍵穴の部分をくりぬいて、コードを通しています。
「動いた。」さんのファミコンハック。普通のサラリーマンが土日を使って電子工作に挑戦。右の「ファミコンラジコン」は、コントローラーで動くファミコン。左は「ファミカセハーモニカ」。ファミカセを息でフーフーすると、ハーモニカのように音がでます。
丸尾龍一さんの「デコチャリ」。デコトラに憧れて、自転車を改造し続けています。電気系統も自作。今でもデコトラに乗るのが夢なのだそうです。
「手作りボードゲームチーム たなごころ」さん。ボードゲームやカードゲームなど電源を使わずに遊ぶゲームを、ルールから考え、身近にあるものを使って作っています。写真は、文字を取り合いながら新しいいろは歌をみんなで作る「いろは」で遊ぶ子供たち。
子供たちに人気だった、ゾンビママのゾンビメイク。できあがりはこんな感じ。
クリエイティブリユース・プロジェクトさんの展示。廃材・廃棄物に新しい価値を発見すること、既に身の回りにあるモノに工夫を加えて活用すること、見捨てられているモノを再び循環させる「クリエイティブリユース」について紹介しています。展示では世界中のクリエイティブリユース作品を紹介していました。写真はレコードに熱を加えて加工したボールと、チラシを使ったコースター。
「miouみうのおにんぎょうづくりワークショップ」は2日間とも大盛況。ヒトガタの人形をベースに、いろいろな材料を好きに縫い付けて自分だけの人形を作ります。子供や女性はもちろん、かなり男性の参加者も目立ちます。
プレゼンテーションも盛況。同時開催されていたopenFrameworks開発者会議のために来日していたopenFrameworksの開発者の方々がプレゼンテーションを行いました。写真は、James Georgeさん。
こちらの発表については、田所淳さんが写真入りで詳細なレポートを書かれていますのでこちらもどうぞ。
MAKER (UN) CONFERENCE YAMAGUCHIでは、「モノづくりとコミュニティ」をテーマに、岐阜のf.labo、大阪のFabLab 北加賀屋、福岡の八耐、福岡の博多図工室などの事例発表が行われ、皆で議論を行っていました。
盛り上がるライブステージ。日本畳楽器製造さんのパフォーマンス。バンマスの西脇一博さんのギターは「畳」の文字を模したものでなんと重さ10kgもあるそうです。「日本独自の文化畳を世界中の人々に感じてもらいたい」そんな熱意から生まれた積極的畳PRユニット。関西の漫談のノリのステージに会場は爆笑の渦でした。
The Breadboard Bandのライブ。ブレッドボードをその場でワイヤリングしながらライブを行います。
殺人的な暑さの中で、屋外展示も。
名古屋から来た大型バスをベースとした移動型のミュージアム、MOBIUM。今回はFabLab 北加賀屋とのコラボレーションで、車内にレーザーカッター、3Dプリンター等のファブリケーションツールを展示していました。車体は黒板仕様になっていて、子供たちが(大人も)チョークで落書きをしています。
こちらはピタゴラトイレットペーパー。トイレットペーパーがコロコロ手元まで転がってくるトイレです。
Defines.jpさんのSolar project in garden〈太陽光発電音響装置計画〉。太陽光を使ってアナログシンセサイザーで音を出します。
元々デザイナーさんだった方が、東日本大震災を機に「自分で使う電力ぐらい自分で賄いたい」と挑戦したのだとか。
いつもお世話になっています。デイリーポータルZさんは、前日のYCAMDOMMUNEの司会に引き続き、出展も。
Youtubeの再生ボタンクリアファイルや、メガネに指紋をつける機械など、おなじみ?の肩の力の抜けた作品がたくさん。
しかし、YMMF中最も肩の力が抜けていたのではないかと思われるのは、Make:Japan Teamの展示だったかもしれません。ゴム鉄砲の射的を行ったところ、お菓子につられて大量の子供が訪れ、Make日本語版編集担当の田村は2日間ともテキ屋の親父と化していました。
ここでは紹介しきれないほどたくさんの興味深い展示満載で、汗だくになりつつ参加者一同楽しく過ごすことができました。
Makerの皆さん、来場者の皆さん、YCAMの皆さん、ありがとうございます!