2012.11.29
Lindsay's Technical Booksの最後のカタログ
注文は2月28日まで。
ひとつの時代が終わった。
Lindsayのカタログを初めて手にしたのは、私が14歳か15歳のときだったと思う。Popular Scienceだったか Popular Mechanicsだったかよく覚えてないが、その巻末の小さな広告を見て注文したのだ。「稲妻発生装置を作ろう!」とそれは高らかに宣伝していた。「溶けた金属! 失われた技術を再発見しよう!」とね。
私は広告を点線に沿って切り抜き、現金3ドルを添えて郵送した。それ以来、私は定期的に購入するようになった。
ときには、眉唾だと思われるほどの(巧妙な)言い回しもあるが、Lindsayの本はいつも奇跡のような宣伝文句が付けられていた。稲妻発生装置? それは「テスラコイル」と呼ばれるものだとあとでわかった。溶けた金属? これは、ポップコーンの缶、鉄の鍋、炭、古いヘアードライヤーを使った実験だ。失われた技術の再発見? そう、機関車のボイラーの設計の裏表から、フライス盤のテーブルが平らになるまで金属表面を手で削るという忘れ去られた技術まで、産業革命の礎となった書籍を甦らせることでLindsayは生計を立てていたのだ。
Lindsayに載っていた、どうしても手に入れたい本には、こんなものがある。Navy Foundry Manual(海軍鋳造マニュアル)、Marine Coppersmithing(海の銅細工師)、Neon Signs(ネオンサイン)、Woodworth Hardening & Tempering(Woodworth焼き入れと焼き戻し)、A Thousand and One Formulas(1001の公式)、1880 Firearms Manufacture(1880火器製造業)、Gear Cutting Practice(歯切りの実践)、Electrostatic Lightning Bolt Generators(静電稲妻製造装置)、Melting Iron in the Cupola(キューポラで鉄を溶かす)。これはわずかに10タイトルだが、Lindsayカタログには300タイトル以上が紹介されている。それをすべて見れば、欲しくないと思う本は、欲しい本よりもずっと少ないはずだ。
偉大なる故Dave Gingeryの古典、build-your-own-machine-shop(機械化工房を作ろう) シリーズ
Lindsayカタログの中でも有名なセレクションが、Makerのパトロンとして名高いDave Gingeryの砂型鋳造のスクラップ金属で機械化工房を作るという内容の7冊のシリーズ本だ。最初の本は、鉄鍋でアルミを溶かす簡単な炭火式の鋳造炉の作り方と基本的な砂型鋳造の方法を解説している。第2巻では、鋳造した部品を使って小さな旋盤を作る方法を紹介している。このシリーズでは、これを使って、金属形削り盤、フライス盤、ドリルプレス、旋盤用の割り出し台、板金折り曲げ器を作っていく。第2巻までの作業は、何年も前から、私の死ぬまでにやりたいことリストに入っている。これらの本は、長年にわたって何百何千という人たちに刺激を与え続けてきたのだ。
LindsayがPopular Scienceに最初に載せた広告
Lindsay Publicationsは1984年、イリノイ州に創設された。Thomas J. Lindsayはそれよりずっと前から書籍販売を行っていた。インターネットのアーカイブを探っていたら、Popular Scienceに掲載された最初の広告が出てきた。1973年10月号だ。私が生まれる2年ちょっと前のことだ。
Lindsay’s Technical Booksのない時代に私は生きたことがない。そんな時代に生きたいとも思わない。昔からLindsayを知っている人も、今、彼のことを知った人も、これが最後のチャンスだ。最後の花道をみんなで飾ってあげよう。
長年、私たちに刺激を与え教育し続けてくれたことを感謝します。寂しくなるなぁ。
– Sean Ragan
Lindsay’s Technical Books
[原文]