2013.04.19
Swarmageddon:DIY地中温度計でセミの大量発生を調査する
(セミの画像提供:Flickrユーザー anoldent)
私はアメリカ合衆国の北東地区に住んでいる。具体的にはニューヨーク市クイーンズ区だ。ニューヨークの5つの区には、広い公園やアウトドアスペースがあるが、コンクリートジャングルと地下鉄と超高層ビルのほうが有名だ。しかしこの数カ月間、セミに関する切迫した状況について聞かないときがなかった。私がこれをタイプしている今、外は暖かくなってきたとは言え、すでにセミが現れているのだ。
たしかに、気温は上がっている。一時は地下8インチ(約20センチ)の温度が17度に達した。これは17年地中で過ごした若いセミが地上に出てくる温度だ。そう、このセミは1996年から17年間地下で生活していたのだ。彼らは我々と同じく、地下でY2Kを経験している。そして今、大群で動き回ろうとしている。周期ゼミにはいくつもの種類があるが、ほぼ毎年、北アメリカのどこかの地域に、1種類の周期ゼミが発生する。そのときは数百万匹の単位で現れる。ただの数百万ではない。北カリフォルニアからニューヨーク州の北部にわたり、1平方マイルに数百万匹だ。ものすごい数のセミだ。
地中の温度を考慮して、Radiolabのメンバーは、ニューヨークの公共ラジオ局、WNYCと共同で、セミの大量発生に関するデータのクラウドソースを行うための「アームチェア科学者、自然愛好家、DIY Maker」たちを招集した。いくつものセミ調査イベントが開かれ、参加者が手作りした地中温度計を使って参加する予定だ。第一回のイベントは2日前の夜に、ブルックリンのウィリアムズバーグのBrooklyn Breweryの施設内で開かれた。100人を超える人たちが、ニューヨーク、ニュージャージー、コネチカットから集まり、ATmega328p-puベースの回路を組み立てた。ブレッドボードを見るのも初めてという人もいた。しかし、電子回路を作るのが、こんなに簡単で楽しいものとは知らなかったとも話していた。
このイベントの写真をいくつか紹介しよう。
パーツをミニキットとして袋詰め。
セミ追跡機の組み立てイベントには100人以上が集まった。
こちらのテーブルは配線の切断で忙しい。
生産ラインを元気づけるための最初の1杯がBrooklyn Breweryから配られた。
やがて、ブレッドボードでの組み立てが始まった。
ブレッドボードに抵抗を差し込む。
スタッテン島からやってきたこの夫婦は庭にこの装置を設置するという。もう1台は教師仲間の友人にあげるという。
Arduino Unoを使った完全な作り方ガイドがあるので、誰にでも地中温度計を作ることができる。作り方はCicada Tracker projectのウェブサイトにある。完成品が下の写真だ。室内の温度に反応してLEDが点灯している。その下のマップは、群 IIが現れた過去のデータと、セミ調査プロジェクトが現在収集しているセミの出現データだ。
群 IIのセミの分布。図は Wikipedia より。
このセミ調査プロジェクトは、セミの大量発生という現象を利用して、普通の人たちや自然愛好家をMakerにてArduinoと簡単な電子回路に入門させた、素晴らしい例だ。
詳しくはNPRまたはHuffington Postをどうぞ。
– Nick Normal
[原文]