Crafts

2013.05.24

新しいMakerをどうMakeするか – Maker Education Day

Text by kanai

Education Day Bay Area 2013

新しいMakerをどう育てるか。子どもたちは、作る状況に置かれると、本当に熱心に作るようになることが、最近の経験からわかってきた。私たちは一歩下がる必要がある。我々大人のチャレンジは、そうした状況を提供することだ。そして勇気を持って一歩下がることだ。Maker Education Dayに参加しよう。

毎年、Maker Faireの前日に、学校の子どもたちを招待して、Makerになるとはどういうことかを見せている。我々は何も教えない。その状況に置くだけだ。感化させると言ったほうが正しいかもしれない。なぜなら、ほかのMakerたちが作っている素晴らしいものを見た子供たちは、すぐにそれを受け止め、作りたいという意欲を持つからだ。

次の一歩が重要だ。子供たちをMakerに直接会うチャンスを与える。そして遊ばせる。工具を渡して、やってみろと促す。彼らに火がつくところを見る。そして一歩下がる。なぜなら、そうした子供たちのグループの中から、かならず新しいMakerが生まれるからだ。

今年のBay Area Maker Education Dayは、Intelがスポンサーになってくれた。65の学校やホームスクールから、2,000名以上の子供たちが物作りについて学ぶために集まった。イベントは、高圧のテスラコイルでヒューズを吹き飛ばしたり、ソーダ缶を潰したり、音楽を奏でたりといったびっくりするようなArc Attackのデモンストレーションで幕を開けた。そう、巨大な稲妻を飛ばすというのもあったっけ。子供たちだけでなく、これを見たすべての人が、長く記憶に残るデモだった。これには説明がなかった。しかし、それ以上に、好奇心を沸き上がらせる刺激があった。

Bay Area Education Day 2013 Arc Attack
びびびび!

もうひとつ、Education Dayで人気を呼んだのが、アーティストLindsy Lawlor製作のMaker Faire名物の電気キリン「Russell」だ。Russellは身長5メートル、全身が光で覆われて、歩き回れるキリンだ。子供たちは、手で触ったり、なでたり、笑ったり、この優しい巨獣に魅せられていた。

Bay Area Education Day Electric Giraffe
優しい巨獣に魅せられて。

これはほんの始まりだ。そこでは、面白くて、クリエイティブで、魅力的で、カラフルで、刺激的で、素晴らしい実例が子供たちを待っていた。インタラクティブな展示も多かった。子供たちを誘って何かを作らせるという展示もあった。ロボット、動く彫刻、クラフトなどなど内容も多彩だ。

これは、子供たちに作る状況を与えて実例を見せることには成功している。では、難しい面を考えてみよう。両親や教育者に、より子供たちを支える環境を作らせ、Makerを作る方法を学ばせるにはどうすればいいか。Education Dayは大人のための日でもあるのだ。

ハンガーベイほどの大きさの建物の中に作られたMakerスペースで、教師やその他の教育者のためのレセプションが3時間にわたって開かれた。スポンサーには、Epilog LaserInvenscienceMidwest TechnologyParallax Inc.ShopBotSketchUpTormachが名を連ね、このモデルMakerスペースの設置に協力してくれた。Makerの育て方を知りたい大勢の人たちが、教師や両親たちと話をするために集まった。

Bay Area Resource Area For Teaching(RAFT)やCommunity Science Workshop Networkといったグループは、クラフトがいかに楽しく、子供たちのための刺激と教育に使えるかを披露していた。

Julian、Yvonne、そして息子のAikenという3人家族がいた。Julianはジャーナリズムとメディア研究の准教授。Yvonneは、高校のニューメディア制作研究所のディレクター。2人は子供の学習刺激となる新しい方法を探していた。Aikenは、GigaByteの新しいプログラム式のLEDキットを見ていた。共同創設者のMichael Duongが彼にグラフィックプログラミング・インターフェイスを案内して、オリジナルの光のパターンを作らせていた。

Aiken programs a wearable LED box.
ウェアラブルな LED ボックスを作るAiken。

Maker Education Initiativeの記者会見もあった。上級ディレクターの Paloma Garcia-Lopezは、スポンサー、教育者、報道関係者に、彼らの使命を説明した。それは、より多くの子供たちを物作りに関わらせること、そして、図書館、学校、科学センター、そしてMaker自身に、リソースを提供することだ。

「物作りは子供たちに広がろうとしているようだ」とDale Doughertyは言う。しかし彼はこう見ている。「Maker Faireは毎年若くなっている。しかし、物作りはまだ、学校やクラブや家庭に浸透していない」Maker Education Initiativeは、そこを変えようとしているのだ。

Daleは Maker Ed理事会のメンバーだ。Cognizantの元CIO、Mark Greenlawもそのひとり。「Makerムーブメントは、到達度の差を縮めてくれる」と Mark は言う。

Google for EntrepreneursのJohn Lymanも参加していた。「今日のMakerは明日の起業家です」とJohnは言う。彼は、GoogleがGoogleハングアウトを通してMakerとMaker Campをつなぎ、起業家のコミュニティを作り、Makerに成功のスキルを与えることで、Makerコミュニティーを支援してきたと語る。

ともかく、子ども、Maker、業界のリーダー、両親、教育者を一堂に集めるMaker Education Dayとはすごいイベントだ。みんなが何かを学んだと思う。

– Andrew Terranova

原文