2014.09.30
LittleBitsがハードウェア版Appストア「BitLab」を開設 ─ 製品化されたモジュールの売上を開発者に還元
LittleBitsは、あなたが開発したモジュールをコレクションに加えたいと考えていた。そこで、Appストアの形を借りてそれを実現した。
彼らの新しい試みはbitLabと呼ばれ、ハードウェアのデザインを民主化するという同社の使命を一歩進めるものだ。LittleBitsは2011年に10個のモジュールからなるキットでスタートしたが、現在ではモジュールのコレクションは50を超える。そして今、一般の人たちのプロトタイプを製品作りに役立てようとしている。一般の開発者にモジュールを作ってもらい、売り上げの中から彼らに報酬を支払うシステムだ。
LittleBits自身も言っているが、今のコンポーネントでも無数の組み合わせが考えられる。すでに多くの人が、電子回路のアイデアの素早くて簡単なプロトタイピングに役立てている。しかしこれからは、欲しいモジュールが見つからないとき、または他の人の役にも立つと思われるモジュールのアイデアを思いついたとき、その製品化に貢献して、報酬を得ることができるようになるのだ。
BitLabは投票プラットフォームだ。モジュールをデザインして公開すると、コミュニティがそれを評価する。あなたのデザインに投票が1000以上集まると、littleBitsはそれを審査して、よいとわかれば製品化する。開発者は、その売り上げの一割を受け取れるという形だ。
「何年も前から、私たちはハードウェアのルネッサンスを経験していると言われています。それが本当だとしても、まだ始まったばかりです。私たちはその可能性の表面を少し引っ掻いている程度です」と語るのはlitttleBitsの創設者でCEOのAyah Bdeirだ。「ハードウェア革命を開花させるには、私たちはイノベーションと、イノベーションを可能にするツールの民主化をさらに進めなければなりません。ハードウェアの次なる大きな革新は、メジャープレイヤーからではなく、発明家、エンジニア、デザイナーといった普通の人たちのコミュニティーから起こるはずです。bitLabはlittleBitsのライブラリーを、発明とイノベーションを推進するメタなオープンソースハードウェアのプラットフォームにします」
立ち上げ時には、すでに“スターMaker”によるデザインがいくつか公開されている。Backyard BrainsのEMGビット、Bare Conductiveのタッチセンサー、そして人気になること間違いなしの MaKey MaKeyビットなどがそうだ。「littleBits bitLabの最初の開発者になれてうれしく思っています。この新しい公開の場は、クレイジーなイノベーションを加速して、ハードウェアコミュニティの無限の可能性を高めることでしょう」とMaKey MaKeyのCEO、Jay Silver。「私たちにとって、Makey Makeyモジュールのプロトタイピングは冒険でした。人々がこれにどんな反応を示し、どんな夢を見るのか、とても楽しみです」
エコシステムのためにモジュールを開発することも素晴らしいのだが、littleBitsでは、ひとつだけあればいいモジュールの大切さにも気がついている。それを可能にするために、彼らはhardware development kitの発売を予定している。これには、2つのプロトモジュール、穴開きボードモジュール、磁石コネクター6つが含まれている。これでlittleBitsがかなり楽しくなりそうだ。自分だけのモジュールを作って、それを既存のオフィシャルなモジュールに磁石で接続できるのだから。
– Caleb Kraft
[原文]