Electronics

2015.10.21

砂浜に絵を描くディズニーのかわいい亀型ロボット

Text by Cabe Atwell
Translated by kanai

Disney’s Beachbot robotic turtle draws pictures in the sand using a controllable, pressurized rake and laser scanner.
ディズニーの亀型ロボット、Beachbotは、レーザースキャナーと自動熊手を使って砂浜にサンドアートを描く

この地球上では、砂浜に亀がいることはそう珍しくもないが、亀型ロボットに出会ったら驚くだろう。しかもそれは、砂浜に絵を描いているのだ。これはETH Zurichが開発したBeachbot。砂浜にサンドアートを自動的に描くように作られた。

ディズニーの補助を受けた研究者たちが、砂浜を訪れる人たちを驚かせるロボットを作った。見て楽しいのはロボットだけではない。それが描くものも、また楽しい。

Those posts embedded in the sand help the robot orient its position as well as the picture placement.
砂に立てられた白い柱がロボットの方向や位置、それに絵の配置を決める手がかりになっている

Beachbotは、特別なアルゴリズムを使って画像を3×3メートルのグリッドに軌跡点に変換し、砂にそれを描く。グリッドの四隅には柱が1本ずつ立てられ、ロボットはこれを参照しながら自らの方向を定め、絵の配置を決める。

ロボットに搭載されたコンピューターにはレーザースキャナーが接続されており、それを使って柱を検知し、姿勢を制御する。そして、スキャナーとIMU(慣性計測装置)の情報から遠隔測定法を使って軌道を割り出し、熊手を上下させて絵を描いていく。

私は、その開発者の一人に会うことができた。現在は、Beachbotを他のメディア、つまり小石や雪にも対応させ、都市部でもロボットアートが展開できるように研究を続けている。Beachbotプログラムのパスプランニングの責任者、Wolf Vollprechtはこう話す。「砂浜以外の地面にもBeachBotは対応可能です。スプレーペイントを使ったプロトタイプも実験しました(残念ながら今はお見せできませんが)」

Self-portrait, Neo Classical or Postmodern? While it still is in development, the Beachbot can certainly produce nicely designed works of art.
亀の自画像。ネオクラシカルか、ポストモダーンか。まだ開発途中だが、BeachBotには美しくデザインされた作品を描く力がある

Wolfはさらにこう続けた。「もちろん、スイスで開発を行っているので、雪の上にも描けるようにと考えています。ただ、雪の上となると、新たな問題がいろいろ出てきます。かなり大幅な改良が必要になります。たとえば、タイヤチェーンとか」

今後、Beachbotがどこにどんなものを描くのか、楽しみだ。

原文