ディズニーの亀型ロボット、Beachbotは、レーザースキャナーと自動熊手を使って砂浜にサンドアートを描く
この地球上では、砂浜に亀がいることはそう珍しくもないが、亀型ロボットに出会ったら驚くだろう。しかもそれは、砂浜に絵を描いているのだ。これはETH Zurichが開発したBeachbot。砂浜にサンドアートを自動的に描くように作られた。
ディズニーの補助を受けた研究者たちが、砂浜を訪れる人たちを驚かせるロボットを作った。見て楽しいのはロボットだけではない。それが描くものも、また楽しい。
砂に立てられた白い柱がロボットの方向や位置、それに絵の配置を決める手がかりになっている
Beachbotは、特別なアルゴリズムを使って画像を3×3メートルのグリッドに軌跡点に変換し、砂にそれを描く。グリッドの四隅には柱が1本ずつ立てられ、ロボットはこれを参照しながら自らの方向を定め、絵の配置を決める。
ロボットに搭載されたコンピューターにはレーザースキャナーが接続されており、それを使って柱を検知し、姿勢を制御する。そして、スキャナーとIMU(慣性計測装置)の情報から遠隔測定法を使って軌道を割り出し、熊手を上下させて絵を描いていく。
私は、その開発者の一人に会うことができた。現在は、Beachbotを他のメディア、つまり小石や雪にも対応させ、都市部でもロボットアートが展開できるように研究を続けている。Beachbotプログラムのパスプランニングの責任者、Wolf Vollprechtはこう話す。「砂浜以外の地面にもBeachBotは対応可能です。スプレーペイントを使ったプロトタイプも実験しました(残念ながら今はお見せできませんが)」
亀の自画像。ネオクラシカルか、ポストモダーンか。まだ開発途中だが、BeachBotには美しくデザインされた作品を描く力がある
Wolfはさらにこう続けた。「もちろん、スイスで開発を行っているので、雪の上にも描けるようにと考えています。ただ、雪の上となると、新たな問題がいろいろ出てきます。かなり大幅な改良が必要になります。たとえば、タイヤチェーンとか」
今後、Beachbotがどこにどんなものを描くのか、楽しみだ。
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