Electronics

2015.10.02

SeeedStudioのモジュラー式で自作可能なスマートフォン RePhone

Text by kanai

The RePhone Kit

SeeedStudioは魅力的なKickstarterプロジェクトを立ち上げた。RePhoneだ。大宣伝したわりにはいまだに姿を見せない、スマートフォンの周囲にハードウェアのエコシステムを作るというプロジェクト、Project Araを思い起こさせるが、RePhoneはオープンソースのコンポーネントを組み合わせて作るモジュラー式のスマートフォンだ。この電話機のコアには、RePhone Core GSM + BLEモジュールと、通信速度は速いがBLEのサポートがないRePhone Core 3Gモジュールとがある。さらにこの他に、SeeedStudioのXadowシリーズの8つのアドオンモジュールが接続できる。1.54インチタッチスクリーン、5×7 LEDボード、NFCボード、GPSボード、オーディオボード、基本センサーボード、GSMブレークアウトボード、Arduino互換マイクロコントローラーボードだ。

Animated RePhone モジュールの接続方法にもいくつかある。FPCリボンケーブル、配線のハンダ付け、導電性糸、さらにブレッドボードにも対応する。

Workshop5

しかし、RePhoneは単なるハードウェアではない。SeeedStudioは、Arduino用ばかりでなく、LuaやJavascript用のライブラリも開発している。C/C++ユーザーのためのEclipseベースの完全なSDKもあり、IFTTTにも対応する。

RePhone Create Kit

また、数多くのボードが使えるだけではない。紙でさまざまなスタイルのRePhoneケースが作れるRePhone Create Kitも用意されている。

Workshop7

面白いことに、RePhoneモジュールはArduino互換であるばかりでなく、Pebble Timeとも互換性がある。今年はじめのMaker Faire Bay Areaには、SeeedStudioのPebbleスマートストラップのプロトタイプが出展されたが、そのときは、ウェアラブルの強力なサポートになると感じていた。

それだけに、SeeedStudioの明示的なPebbleへの対応を見るのは興味深い。バッカーへの謝礼として、ストラップキットも用意されている。Pebbleプラットフォームにこれだけ対応するからには、Arduinoにも相応の対応をしなければならない。

RePhone Modules

モジュラー式であり、小さくてオープンソースのRePhoneは、ウェアラブルとモノのインターネットの商品化までの時間を劇的に縮めるものだ。もし、GoogleのProject Araが実現したとしても、そこまではいかないだろう。SeeedStudioは、明らかにそこに気がついている。Rephoneキットとともに、Makerを狙ってハードウェア開発キットも用意している。彼らのOpen Parts Libraryを使って回路を組み立てれば、このキットはプロトタイプから製品化への道を短縮してくれるだろう。これがMakerたちの手に渡れば、RePhoneボードをコアに持つさまざまなプロジェクトがKickstarterに現れるに違いない。

RePhone Kit Create 4

iPhoneが登場する以前、携帯電話はサイズや形はフォームファクターがまちまちだった。iPhone以来、すべて黒い長方形に揃ってしまった。Googleは、Project Araでこれを変える必要があると考えた。これは、ウェアラブルやモノのインターネットの可能性だけの問題ではない。SeeedStudioがRePhoneでGoogleに打撃を与え、携帯電話の世界に再び多様性をもたらすという期待が込められているのだ。RePhoneのKickstarterプロジェクトで、早めにバッカーとなった人たちには、来年の2月に出荷される予定だ。

原文