Electronics

2016.10.24

オープンソースハードウェア協会が認証プログラムを発表

Text by Sophia Smith
Translated by kanai

Open Hardware Summit 2016にて、OSHWA(Open Source Hardware Association、オープンソースハードウェア協会)のMichael Weinberg会長は、今月中にオープンハードウェアの認証を受けた初の製品が公開されると発表した。

協会のブログ記事に書かれた概要によれば、今回の認証は、エンドユーザーと開発者の両方に利益のあるものだという。ユーザーは、公認のオープンハードウェア製品だと安心して買うことができ、製造する側は、合法的にオープンソースを宣言でき、オープンソースとの関わりを保つことができる。

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この認証は、個人でも組織でも、登録を行うことで受けることができるが、実際のIDは製品に与えられる。複数の製品を出している組織の場合は、それぞれに登録を行う必要がある。これはユーザーにとってはありがたい。OSHWAに登録された認証ID番号を使えば、製品の資料がすぐに見つかるからだ。

では、その組織の名前で製品に認証を受けた後、組織が分裂してしまったらどうなるのか。「そうした問題が発生したときに対処します。今は、この手続きを人々がどのように利用するかを見極める段階にあります」とWeinberg。大きな変更が加えられた製品の場合、OSHWAでは、その前のバージョンの資料を保護するために、再登録することを勧めている。

製品をオープンハードウェアとして登録するためには、まずOSHWAのサイトで無料のフォームに書き込む。これによって、コミュニティによるオープンハードウェアの定義への準拠に法的に合意したことになる。違反に関してはどうするかを聞くと、「簡単に言えば我々にはパトロールする義務があります」とのこと。最初は違反者に警告を出して改善してもらう。違反が重なるようならOSHWAから罰金が課せられる。

自分の製品を登録したい人は、10月中にやるとよい。Documentation Dayに参加でき、準備万端整えることができる。OSHWAは今月の申し込みを1つに集めて、そこからランダムにIDを振り分ける。

オープンソースそれ自体がそうであるように、この認証の基準もインタラクティブに決められる。「私たちには、その手続きができる限り包括的に改正されるようデザインする責務があります」とWeinberg。「これは、コミュニティに支障が生じたときにのみ問題になります。それを実現する唯一の方法は、みんなが納得する形で進化させることです。これもオープンコミュニティの一部なのです」

これは新しいシステムであり、多くの問題を含むエッジケースであるため、疑問を投げかけるチャンスはまだある。この問題には、Cardozo Lawが法的なアドバイスをしている。OSHWAにメール(certification@oshwa.org)で意見を伝えることもできる。

(日本語版編注:Open Hardware Summit 2016に参加した小林茂さんが、この件に関する詳しい記事を公開しています)

原文]