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2016.11.25

脳を損傷した友人のために会話デバイスを開発した14歳の少年

Text by kanai

この14歳の少年、Jacob SmilgのTED×Talkでのスピーチを見れば、誰でも熱いものがこみ上げてくるだろう(そして自分の人間性を取り戻す)。この話のなかで、彼は、大事故によって脳が損傷した友人、Ethanともっと楽に会話ができるようにと開発したデバイスを開発するために、どのような技術や知識を使ったかを語っている。

2013年の夏、サマーキャンプで、よく晴れた日に彼らは広場でフリスビーをして遊んでいた。そのとき、Ethan Kadishは雷に打たれたのだ。Ethanは心臓が停止し、その結果、脳に損傷を負うこととなり、全身の機能が失われた。彼は話ができないどころか、自発呼吸も困難になってしまった。

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Jacobは、Ethanが瞬きを使ってイエスとノーを言い分けられることを知った。それが彼の「アハ」の瞬間だった。そして、マイクロコントローラー、3Dプリントしたケース、LEDディスプレイ、そしてEthanの車椅子のヘッドセットにセットされた2つの大きなボタンを使い、まばたきをしなくても簡単にイエスとノーが返答できる装置を開発したのだ。これにより、コミュニケーションの曖昧さが解消され、より多くの人と会話ができるようになった。「ボクのデバイスで、Ethanはグループとより簡単にコミュニケーションが取れるようになり、本当の会話ができるようなったことで、彼はとても喜びました」とJacobは言う。

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ビデオの中でJacobが指摘しているとおり、こうしたシステムの素晴らしい部分のひとつとして、非常に安価に作れるという点がある。部品は市販されているし、作り方はちょっとウェブで調べればわかる。なんと言っても、こうした人生を変えるほどの技術は、子どもが思いつき、実現させられるほどシンプルになっている。たしかに、彼は特別な子どもかも知れないが、少なくとも、Jacobs Smilgのように、利発で同情心が強く知識が豊かな子どもは彼だけではない。

Ethanと彼の家族のその後の話を知りたい方は、Team Ethanブログを見て欲しい。Jacob SmilgはFacebookにブログを書いている。私はこの子に注目していこうと思っている。これはまだ、彼のウォーミングアップにすぎない。

原文