Electronics

2016.11.01

Star Simpsonの “エレクトロニクスな人生” をはじめるために必要な5つのこと

Text by kanai

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14歳のとき、私は始めてエレクトロニクスの本と出会った。Tandy Corporation、後のRadio Shackが出版したものだ。当時はわからなかったが、それが私のエレクトロニクスへの理解の基礎となり、そしてエレクトロニクスは、私の人生においてとても重要なものとなった。

私は先日、Circuit Classicsを発表した。これは、回路デザインの初心者向けの教育用サーキットボードだ。私は自分が最初の一歩を踏み出したときのことを思い出し、どのようにエレクトロニクスを学んできたかを考えながら、これを開発した。

振り返ってみると、私の経験の中に、みなさんが学ぶときにも役に立ち、より理解を深められるようになるであろう、決定的な体験があったことがわかった。

まずは「バブバブ」

ひとつには、まったくの初心者には何もかもがチンプンカンプンであるということ。とくにエレクトロニクスにおいては、見てもわからないし、感覚もつかめない。多少の慣れが必要になる。だから最初は、部品をつなげてどうなるのかを見たりするだけに終わる。これではうまくいかない。でもいいのだ。赤ちゃんがおしゃべりを学ぶときに、まず「バブバブ」と言い出すのと同じだと考えればいい。そのうちだんだん言葉になっていき、意味が伝えられるようになる。この最初のバブバブの段階を許容するよう憶えておくことだ。

ハードウェアを「読む」

エンジニアリングは、作ることと同じ程度に、「読む」ことで養われる技術だ。かつては、廃棄されたビデオデッキや留守番電話機といった機械をかき集めて、分解して、その中の構造を調べることができた。電子製品をこじあけて、中から緑色のプリント基板を取りだし、窓や照明にかざして見たことだろう。当時のプリント基板は、2つの薄い銅の層で構成されていて(または1層)、光に透かすと、部品同士の接続がすべて目で見ることができた。

今は、そうした経験はしにくい状況になっている。だから、Circuit Classicsでは部品の接続がわかりやすいようになっているのだ。自分で作ったプリント基板を見て確認するようなものだ。1日の終わりには、エンジニアリングに理解できない秘密はないと自信が持てるようになる。

頭のゲームをプレイする

学習が進むと、学んだことが使えるようになってくる。習ったことを使って新しいものの作り方を考えることは、楽しい挑戦だ。自分が、何かを測定するエンジニアになったと想像してみよう。気温、現在の日光の強さなどだ。自分の持てる知識の範囲内で、どうやったらそれが叶うだろうか。

ものを作る

そうしたものを作ることと、頭のゲームという考え方を組み合わせると、新しいものへの挑戦には終点がないことがわかる。ものを作れば作るほど、または作ろうとするほど、今の自分に何が可能なのかを理解する力がついてくる。新しいものを作るために、エレクトロニクスがどのように活用すればよいかがわかるようになる。

巨人の肩に乗る

Forrest Mimsの名前を聞けば、知っている人はすぐに思い出すだろう。エレクトロニクス入門書として多くの人たちに最初のエレクトロニクス体験を与えた、手描きのエレクトロニクスのノートシリーズ『Getting Started in Electronics』(オライリー・ジャパンから2017年に日本語版刊行予定。乞うご期待!)の著者だ。

彼の本は多くの人の人生を変えた。そして今、彼の本の内容をガイドとして使うハードウェアが初めて誕生した。Circuit Classicsは、Forrest Mimsの著書を再構成するものであり、入門者にもエキスパートのティンカラーにも同じように、喜びや気づきを与えるものだ。楽しい記念品にもなる。

原文