何年も前、私の息子が高校生だったころ、彼は教室で作ったというロボットアームを持って帰ってきた。そのころ私は、ちょうど『The Absolute Beginner’s Guide to Building Robots(初心者のためのロボット製作ガイド)』をいう本を書いていた。私は息子のロボットのデザインを見て、ムズムズする感覚を覚えた。それは、水圧の勉強のために作られたもので、材料は、13ミリの松の板と、10ミリリットルの注射器と、プラスティックのチューブと、水といった程度のものだ。私は、息子以上にそいつを気に入って、あれこれいじくりまわして遊んだ。今でも、私のロボット・コレクションとして残っている(ArmatronとSuper Armatronの隣に置いてある)。
このプロジェクトは、「The Q」と名乗る謎のMakerグループによるものだ。基本的なデザインは私の息子が作ったものと同じだが、木材の代わりに段ボールが使われている。また、息子のロボットでは、接続部分に金属板、注射器のホルダー用に市販の金具などが使われていたが、彼らは接続やホルダーに、木の串、ペーパークリップ、結束バンド、空の単三乾電池などを利用している。
彼らが公表している材料は、以下のとおりだ。段ボール、10ミリリットルのゴムのピストン付きの注射器8本、空の単三乾電池、プラスティックのチューブ4本、アイスの棒、瞬間接着剤、水、そして忍耐力だ。ジュースの空き缶も使う。使用した工具は、定規、カッター、鉛筆、ハサミ、ホットグルーガン、ペンチだ。
この作り方の工夫が素晴らしい。必要な部分には段ボールを重ね、木と段ボールで蝶板も作っている。空の単三乾電池はアームと土台を繫ぐ回転軸だ。それに、アームの手の部分のデザインも秀逸。目を見張る点がいくつもある。
下の写真は、製作中の様子を写したものだ。これらの写真を見るだけでも、どんな構造になっているかわかるぐらい、シンプルな作品だ。
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