Electronics

2017.09.12

ロボットとレーザーとリン光で時を知らせる時計

Text by Jeremy S Cook
Translated by kanai

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マーカーペンで時間を知らせる時計よりもクールなものはあるか? ある! レーザーを使った時計だ! 機械工学とコンピューター科学を学ぶ学生、Tucker Shannonはそう思いつき、暗闇で光るレーザー時計を作った。

この時計は、下の動画のPlotclockのバリエーションだ。設計図はThingiverseで手に入る。Shannonはそのマーカーをレーザーに、ホワイトボードを蓄光ボードに変更したというわけだ。

どちらにも、面白いリンク機構が使われている。2つのサーボが連携してマーカー(レーザー)を動かす。それぞれのサーボは細長いアクリル板を動かす。それらの板は回転するジョイントで接続された、さらに別のアクリル板を動かす。それらがさらに別のジョイントでつながれて、マーカーまたはレーザーは、そこそこ正確に時刻を表す数字を書くことができる。すべては、使いみちがなかったShannonのArduino Unoクローンで制御されている。正確な時を刻むために、リアルタイム・クロック(RTC)モジュールも組み込んだ。ボタンを押すとレーザーが現在の時刻を書く。夜なら10分間ぐらい、読める程度に光っている。

驚くべきは、マーカーからレーザーへのデザイン変更の見事さだ。Shannonは、普通のホワイトボードに蓄光ステッカーを貼り、405ミリの紫レーザーをマーカーの代わりにして、明るく光る効果を作り出した。改造箇所の設計は、オープンソースのQCADドラフティングパッケージで行った。AutoCADによく似たソフトだ。

蓄光ステッカーに書かれた文字は自然に消えるので、消す工程が省けた(それによりオリジナルよりシンプルになったのは皮肉なことだ)。レーザーも、マーカーと違ってアームに持たせる仕組みがいらない。3つ目のサーボを使う代わりに、時刻を書くときに電源を入れて、あとは切ればよい。しかし、シンプルそうに見えて、これを作るには直感力が必要だった。

Shannonは、Arduinoのピンでレーザーを光らせるのに苦労した。「ピンの出力電流は40ミリアンペアなので、NPNトランジスターを使って、レーザーに必要な70ミリアンペアを供給する非デジタルピンの電源を制御することにした」のだ。材料と工具が揃っていれば、2〜3時間で組み立てられると彼は言っている。

Shannonのバージョンでは、透明アクリルをレーザーカットした部品を使っている。彼自身はレーザーカットしたパーツの雰囲気が気に入っているが、CNCルーターや3Dプリンターで作れるように簡単に変更できるという。このデザインなら、大きなホワイトボードに時刻を書かせたり、もっと大きな屋外の時計やインスタレーションで使えるように拡大することも可能だろう。

Shannonはこの作品の出来に大満足している。見て楽しいだけでなく、実用的だ。とても面白い。これに影響されて、さらに面白い時計を作ったり、別のプロジェクトに応用する人が現れるのを期待したい。

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時計プロジェクトなら、“Dottie” the Flip Dot Clockや、カレンダーに従って自動的にアラームを鳴らしてくれるS.M.A.R.Tアラーム時計などが参考になるだろう。(Redditより)

原文