Crafts

2017.12.15

究極の「ウルティマ」へのオマージュ刺繍

Text by Caleb Kraft
Translated by kanai

この前、Twitterを見ていたら、下のような画像が出てきた。最初はApple IIのゲーム「ウルティマ」の画面だと思ったのだが、Tweetの文章を読んで、それが刺繍だと判明した。

Glenda Adamsのクロスステッチ・プロジェクトは、ピクセルのにじみまで含めてApple II版「ウルティマ」の画面を完璧に再現している。下の写真は、彼女が元にした本物のゲームのスクリーンショットだ。

どれだけ「ピクセルの数」が多かったのかは、遠くから見ただけではわからないが、近づいてよく見るとハッキリする。

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なぜウルティマを?

昔のMacをテーマにしたモノクロの「#nerdstitch」(ナードな刺繍)をいくつか作ったんだけど、カラーでもっとレトロなものを作りたいと思ったのです。昔はApple IIでよくゲームをしたので、クラシックなゲームを縫ったら楽しいだろうと考えました。なかでもウルティマが印象的でした。グラフィックの感じも特徴的だったし。

きっかけは?

Mac用のApple IIエミュレーターを手に入れたことです。昔のゲームがプレイしたくて。そして、ウルティマをプレイして、気に入った場面のスクリーンショットが撮れるまで続けました。

パターンを作るプロセスを教えてください。

まずは、Apple IIのグラフィックの小さな色のにじみも見えるように、ピクセルをハッキリと撮れる画面設定にしました。それには長い時間がかかりました。

きれいな画面が撮影できたら、次はDMCフロス(クロスステッチ用の糸)から6色を選びました。Apple IIの青、オレンジ、緑、紫(それに黒と白)です。そして、280x192ピクセルの画像を、クロスステッチ用のパターンを作るウェブアプリでチャートに変換して印刷しました。そのおかげで、少し楽に縫えるようになりました。

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難しかったのは、目の細かい黒のアイーダ生地を探すことでした。黒い生地は縫うのも難しいんです(生地の目が見えないから)。たいていは1インチ(2.5センチ)あたり11から14ステッチなのですが、それだと280ピクセルが25インチ(約64センチ)になってしまいます。大きすぎます。しかし、インターネットで18カウントの黒のアイーダを見つけたので、それを使うことにしました。これなら、幅15インチ、高さ11インチ(約38×28センチ)になります。まだかなり大きめですが、扱える範囲内です。

時間はどれくらいかかりましたか?

チャートを作って、色を決めて、生地を選ぶまでは、ほんの一針といった感じです。縫い上げるには、ほぼ毎晩、数時間ずつ費やして3カ月かかりました。海の波とか青い枠とか、繰り返しのパターンでは大変に疲れましたが、それでも楽しいプロジェクトでした。

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次の予定は?

Apple IIかMac関連で、もっと小さいものを作りたいと思っています。画面全体を縫うプロジェクトは、しばらくお休みです。

原文