Crafts

2013.06.07

3Dプリントに着色する方法

Text by kanai

Colleen Jordanはアトランタで活躍する工業デザイナーでWearable Planterの共同創設者。

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3Dプリントは、今やデザイン、アート、クラフト、テクノロジーの世界で重要なキーワードになっている。私たちは、すべての宝飾品を3Dプリンターで作っている。そして3Dプリントでいろいろなものを作ってくる中で、私たちは素材の色や外観を変える方法をたくさん学んできた。3Dプリントは、積層造形法とも呼ばれるが、CADファイルとして作られた形状を、素材を薄く重ねることで立体に仕上げていく。素材は、柔らかいゴムから固い金属まで、いろいろ選べる。

3Dプリントで何か作ったことは? デザイン科の学生もホビイストも、今やShapewaysやPonokoなどのサービスのおかげで、簡単にこの技術を利用できるようになった。ポリアミドでプリントすれば、家でどんな色にでも染色ができる。ポリアミドは多孔質の素材なので、色の吸着がよい。専用の着色剤を販売しているメーカーもあるが、それを使うと余計な手間がかかるし、色の選択肢が限られる。

そこで、多くの3Dプリンターから出てくる退屈な白いプリントに飽きた人のために、プリントに色を付ける方法をお教えしよう。これはナイロン(ポリアミド)の3Dプリントを繊維用の染料で着色する方法のチュートリアルだ。この素材はプリンターメーカーによって呼び名が違う。Shapewaysでは「White Strong and Flexible」、Ponokoでは「Durable Plastic」、Sculpteoでは「White Plastic」、iMaterialiseでは「Polyamide」と呼んでいる。このチュートリアルでは、クラフトショップや生地店や雑貨店などで入手がしやすいRitの染料を使う(日本語版編注:Ritの染料は日本でも入手可能。“Rit染料”で検索)。Jacquardでもほぼ同じ方法で着色ができるが、こちらは酢を正確に計量して入れ、液をつねに一定温度に温めるといった手間がかかる。

やり方は、繊維を染めるときとほぼ同じだ。また、これを行う際に、Ritの染めに関する記事が大変に参考になった。

Step 1:材料を集める

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まずは材料を集める。ナイロンの3Dプリント、好きな色の染料、プリントを染めるボウル、計量スプーン、熱湯(写真になし)だ。また、必要に応じて液を再加熱できるよう、電子レンジが近くにあるとよい。

どの色に染めるかを決める。Ritにはわかりやすいカラーガイドのサイトがある(これ以外のブランドの染料にも同様のガイドがある)。ナイロンは染料を非常に速く吸収するので、私たちは、説明書にあるよりも、やや少なめに染料を使った。この自転車用プランターには、RITのSunlight Orangeを選択した。1.5カップの熱湯に大さじ1.5杯の染料パウダーを入れる。

ここで使うのは繊維用の染料なので、服や靴についたら色が落ちないので注意しよう。気になるならエプロンをするか、好きじゃない服を着て行うとよい。また、染料は皮膚も染めてしまう。手に色が付くのがいやなら、ゴム手袋を着用しよう。だがRITの染料は擦ればすぐに落ちるので、もし皮膚に付いてしまっても簡単に落とせる。

Step 2:プリントを湿らせる

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染めを行う前に、少なくとも30分以上、プリントを水に浸しておく。時間があれば一晩漬けておくことをお勧めする。十分に水を染みこませておくことで、色ムラを抑えることができる。また、水に漬けることで、プリント中に付着する細かいゴミを取り除くこともできる。ゴミが付着していると、色ムラを引き起こすことがある。プリントはゴミごと色が付くが、プリントを乾燥させたときにゴミが落ちて、その下の色が付かない部分が現れてしまうのだ。

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このプリントにはゴミが付着していた。ゴミが取れて現れた白い大きな部分がわかるだろう。

Step 3:色を付ける

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パウダーをきっちり測って入れ、そこに熱湯を注ぎ込む。粉が残らないようによくかき混ぜよう。

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液にプリントを投入してかき混ぜる。色が均等に付くように、ときどきかき混ぜる。長くつけ込むほど、色はしっかりと付く。このプリントの場合は色が付くのに6分間かかった。もっと長くつけ込んでおく場合は、電子レンジで15〜30秒ほど入れて、液を沸騰近くまで温めるとよい。色によっては、液の温度を高く保たないといけないものもある。私たちの経験では、ピンクと青は、液の温度を高めにして、つけ込む時間を長くしてやらないとしっかり色が付かないことがわかった。

Step 4:すすぐ

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すすぎはとても重要だ。水に漬けて余分な染料を落とす。私たちはよく、染めたプリントを熱湯に数分間つけて、余分な染料を洗い出す。肌に直接触れるアクセサリーなどを染めるときは、肌に色が移らないように、よくすすぐことが大切だ。

Step 5:乾かす

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Step 6(オプション):コーティングする

ナイロンは多孔質の素材なので、ゴミやほこりを吸い込んで、汚れが目立ってしまうことがある。そこで、アクリルニス(リキテックスなど)やアクリル透明塗料などでプリントをコーティングすることをお勧めする。色あせと汚れを防ぐことができる。

Step 7:自慢しよう!

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自転車にバイクプランターを装着したところ。

がんばって3Dプリントを染めたら、みんなに見せびらかそう!

この記事は、Wearable Planter blog に掲載されたものを転載しました。

原文