小学生を対象に家族など身近な人や学校、地域、そして世界の問題への関心を高め、自分たちでも解決できるという視点と自信を子どもたちに身に付けてもらうことを目的とした「こどもエンジニアもんだいかいけつアイデアコンテスト」。100を超える力作が寄せられ、その中から受賞作が決定しました。審査員のコメントとともに紹介します。
「良いアイデアには、技術的実現性などどうでも良くなってしまう力がある。アイデアと実現可能性を両立しようとし始めたとたんに、アイデアは小さいものになってしまう」— 久保田晃弘(多摩美術大学情報デザイン学科 教授)
「とにかく凄い!この発想はなかった!まいりました!でも、将来、この理論をもとに壮大なスケールの発明が生まれそうな気がする」— 平井聡一郎(株式会社情報通信総合研究所 未来創造研究部特別研究員 元古河市教育委員会指導課参事兼課長)
「元気になる、ということは、何かをしてもらうことではなく、何かができるようになること、人にしてもらうのではなく、自分でできること。3Dペンにはそんなメッセージが込められている」— 久保田晃弘
「健康管理だけにとどまらず、おばあちゃんが生きがいを感じれば元気になるだろうという愛のあるテクノロジーに感激です」— 平井聡一郎
「名前と特徴と説明を全て足しても、ビジュアルのインパクトには遥かに及ばない。ことばを超えたイメージの力の大切さを噛み締めながら、もう一度名前を見ると妙に腑に落ちる」— 久保田晃弘
「とにかく魅力あるデザイン画に惹かれました。世界的な課題を、テクノロジーで解決してやるというエンジニアスピリッツを感じます」— 平井聡一郎
●優秀賞(高学年部門)「トリプルプロブレムセーブ」
「あれかこれかの選択を強いるのではなく、あれもこれも一気に解決するのが、本当のアイデアなのだ」— 久保田晃弘
「コンビニから出る廃棄物の処理にとどまらず、今日的な課題を一挙に解決しようという大胆な発想!しかし、説明を読むとなんかできそうかもって気にさせるのが凄い!」— 平井聡一郎
●優秀賞(高学年部門)「およげるゴーグル」
「個別から一般へ、一般からまた個別へ。このめがねデバイスは、平泳ぎを超えて、日常の風景を変容させる力を持っている」— 久保田晃弘
「なぜ泳げないのかという課題意識から、その解決に至るプロセスが感じられます。これこそエンジニアの発想ですね。近い将来できそうな気がしてきた」— 平井聡一郎
●審査員特別賞(久保田晃弘)「フリスタ」
「何を勉強するかを自分で決めたい、というのはイリッチの脱学校の社会にも通じる、至極真っ当な提案だ。真っ当な提案が真っ当に聞こえないとすれば、それこそが現代社会に対する警句なのだ」— 久保田晃弘
●審査員特別賞(平井聡一郎)「あったかかし」
「人間を一番殺している生物、それが蚊!それを駆除するのにこんな方法があったとは!カカシをあったかくして蚊を誘引したり、バッテリーが水冷だったりと科学的に考えられている」— 平井聡一郎
●STEMON賞「教えて!イリシウム(イリシウムとはチョウチンアンコウのとっきです!)」
「技術は世の中をよくするためにある」というエンジニアリングデザインの理念を体現してくれました。問題の定義や利用場面、利用方法が具体的で説得力のあるアイデアです」— 中村一彰(株式会社ヴィリング 代表)
●Maker Faire Tokyo賞「自立型ほうき「ジリッツー」」
「事務局が湧いた! 一番に届いたインパクトもさることながら、身近なところから問題を発見する力とアイデアの優しさに、事務局の大人たち全員の心が癒されました。そのネーミングセンスにも脱帽です! ぜひ次回はプロトタイプをつくってMaker Faire Tokyoへ出展してください!」— Maker Faire Tokyo事務局
その他の応募作品も力作ぞろい。Maker Faire Tokyo会場にて展示を行います。また、8月4日(土)15:20-15:50には、Make: Classroomにて入賞者の表彰式が行われます。ぜひご来場ください。
Maker Faire Tokyo 2018のお得な前売券は、ローソンチケットとイープラスにて好評発売中(前売:大人 1,000円、18歳以下 500円、小学校未就学児は無料。なお当日券は大人 1,500円、18歳以下 700円)。お得な前売券をご購入いただいた方には、毎年楽しみにしている方もいるオリジナルステッカーもプレゼント!