Crafts

2020.03.06

毎日がちょっと楽しくなる“自分のためのものづくり”[おとでん通信 #1]プラスチック粘土を使ったオリジナルLED

Text by guest

はじめまして、乙女電芸部(おとめでんげいぶ)です。略して「おとでん」です!

わたしたちは「毎日がちょっと楽しくなる『自分のためのものづくり』をしよう!」を合言葉に活動しているDIYグループです。

今までの手芸や工作に電子工作をプラスすることで広がる『自分のためのものづくり』の可能性をお伝えするべく、作品づくりやワークショップを開催しています。Maker Faireには、Make: Tokyo MeetingやYamaguchi Mini Maker Faireも含めると、2011年からこれまで10回ほど出展してきました。

乙女電芸部の作品やワークショップは、いつも乙女心かわいさがスパイス。たとえば、頭を常になでなでされていたいという欲望を電子工作のチカラで実現させた「なでなで帽子」、毎日同じメイクにならないようにその日のテーマと使うコスメを提案してくれる「ちょっと未来のドレッサー」、お皿じゃなく自分が回る「セルフ回転寿司」などなど……


慶應義塾大学SFC出身の仲間たちで10年前に結成しました! 写真はMaker Faire Tokyo2019の展示風景

この連載では、そんなおとでんのレシピや作品を毎回紹介していきます! 初心者の方でも、電子工作を取り入れたものづくりをはじめやすいように書いていきますね。それでは「おとでん通信」第1回、お楽しみください!


記事目次
・おとでんレシピ:オリジナルLED
・おとでんギャラリー:部章
・おとでんを支えるツールたち:テープ
・おとでんの日常


おとでんレシピ

このコーナーでは、乙女電芸部が開催しているワークショップの作品の作り方を紹介していきます。

今回ご紹介するのは、プラスチック粘土を使ったオリジナルLED。LEDといえば「電子部品の代表」という感じがしますが、見方を変えれば、色とりどりに光る、まるでビーズやスパンコールのような楽しいパーツ。少しの工夫で誰でも簡単に好きな形のLEDにアレンジすることができます!


LEDにプラスチック粘土をかぶせることで、色とりどり、形もさまざまなパーツとして楽しめます

材料

・プラスチック粘土(お湯で柔らかくなるもの)
 -主な購入先:100円ショップ、amazonなど
 -備考:ヒノデワシ株式会社の「おゆまる」が有名!

・LED(3mm砲弾型)
 -主な購入先:秋月電子、千石電商などの電子部品店、ホームセンター
 -備考:3V(ボルト)で光るものを選んでください。
 ※LED電球やオーナメント用ではありません。

・ボタン電池CR2032
 -主な購入先:100円ショップ、コンビニ
 -備考:型番を間違えないように注意。

・シリコン型
 -主な購入先:100円ショップ、手芸用品店など
 -備考:レジン型やアイストレーなど、やわらかいシリコン型。

上の材料すべてが入ったキットを乙女電芸部のキット販売SHOPにて販売中です!

おうちで用意するもの

・紙コップ
・お湯
・割り箸
・ふきん(キッチンペーパー)
・マスキングテープ

作り方

プラスチック粘土をお湯(80℃)で3分ほどあたためます。

② あたためたプラスチック粘土シリコン型に入れます。(やけどに注意!)


熱いので割り箸で取り出しましょう


水分はふきんなどで拭きとってください


一度丸めると型にいれやすいです。ヤケド注意!


型に押し込みます。はみ出ても後で切れます

プラスチック粘土がやわらかいうちに、LEDの光る部分を埋め込みます。


LEDの光る部分をプラスチック粘土に埋めます


プラスチック粘土をかぶせて抜け落ちないように!

④ 冷めて固まるのを待ちます。3分くらい待ちましょう。

シリコン型の反対側からプラスチック粘土を押し出します。


固まってから出しましょう


はみ出た部分ははさみで切れます

LEDの足の向きに注意してボタン電池をはさみます。LEDの足の長いほうがプラスです。


よく見ると右のほうが足が長いのでプラス!


ボタン電池の文字が書いてある面がプラスです

⑦ 光ったら、マスキングテープボタン電池をまいて完成!


マスキングテープは8cmくらいに切ってぎゅっと巻いてください


暗いところでみるとこんな感じに光ります!玄関やちょっとしたコーナーに置いておくとほっこり♡

このオリジナルLEDを使えば、光るブレスレットやバッジなどのアクセサリーにアレンジするのも簡単です。プラスチック粘土どうしを混ぜて好きな色を作ったり、LEDの色と合わせたコーディネートを考えたりしても楽しいですね。


ブレスレットはボタン電池をはさむ前にLEDの足の間にぐるぐるゴムをはさむだけで簡単にできます!


フェルトやスパンコールと組み合わせてバッジをつくってもかわいいです


帽子の部分はマスキングテープを使っています! 厚紙に2つ穴をあけてLEDを通しています。電池は裏側にマスキングテープで固定。裏に両面テープで貼り付けるタイプの安全ピンをつけてバッジにしています

ぜひ、ご自宅で試してみてください!作った作品はInstagramなどにハッシュタグ「#おとでんレシピ」をつけてアップしてみてくださいね。

おとでんギャラリー

乙女電芸部10年の活動の中で、さまざまな「電子工作×手芸」作品を作ってきました。みんなでアイデアを出した作品も、個人のふとした思いつきから生まれる作品も、節目節目で切羽詰まって作る作品も(笑)、その作品が生まれる状況は色々です。

今回は、乙女電芸部にとって記念すべき!最初の作品『光る部章』を紹介します。


乙女電芸部のロゴを実体化しています

『光る部章』は、周囲のLEDが順番に光り、サイズも直径約40センチと大きくて目立つので、展示のときに看板代わりに使っています。乙女電芸部のロゴは「LilyPad Arduino」というマイコンをモチーフにしているので、実際のLilyPad Arduinoを使って動かしている……、と言いたいところですがそうではなく、Arduino Duemilanoveを使っています(笑)

実装面は少し工夫をしていて、この作品ではLEDをたくさん使っているのでマイコンのポート数がが足りず、「74HC595」というロジックICを使って動作させています。


LilyPad Arduinoのピンを模したところが順番に光ります(GIF画像なのでクリックすると動きます!)

LilyPad Arduinoは手芸作品用のマイコンボード。刺繍や裁縫の作品にそのまま導電性の糸を使ってこのボードを縫い込み、回路を作ることができるという優れもの。『部章』の裏側も、導電性の糸で回路を作っており、LEDを直接台座に縫い込んでいます。

さらに、otodenの文字は当時部内で大流行していたニードルフェルトで立体的に作っているのもこだわり。まさに「電子工作×手芸」な作品です!ただ、作った当時は試作のつもりで、裏側の配線などはかなりラフなつくりのまま、とてもお見せできる状態ではありません……。それでも10年間、壊れず頑丈なままでいることにいつもびっくりしています。

おとでんを支えるツールたち

おとでんになくてはならない道具類を毎回紹介していくコーナーです。今回のテーマは「テープ」! 私たちは主に以下3種類のテープを使っています。

マスキングテープは、おとでんにとって万能の素材! 工作時にはモノを一時的に止めておくのに頻繁に使いますし、手芸の時はもちろん、ハンダ付けで部品を仮に固定するのにも重宝しています。また、オシャレなマステはそのまま作品自体に使うことも。おとでんのオススメは、カモ井加工紙株式会社の「mtシリーズ」です。今回のオリジナルLEDのレシピでも使っています!

養生テープは、マステ同様、粘着力が弱めで使いやすいテープ。小さめで紙ベースなのがマステ、ガムテープと同じサイズでビニールベースなのが養生テープという感じです。オススメなのは手で切れるもの。定番の寺岡製作所の「P−カットテープ」は間違いないです! 粘着力が強いものは、のりのあとが残ることがあるので、フローリング用引っ越し用と書かれたものはのりが残りにくく、オススメです。


黄緑色は目立つので、白やピンクを使うことが多いです。太さ50mmが一般的ですが、25mmの細いタイプも便利です

両面テープで最もメジャーなのはニチバン株式会社の「ナイスタック」ですが、粘着力は4段階(弱、普通、強力、超強力)あります。日常の工作やプロトタイプは普通がオススメ。剥がしやすさと粘着力のバランスが取れています。完成したら強力テープに入れ替えて強度をあげるのも良いですね! 超強力は接着剤よりも気軽に使えておとでんでもよく使うのですが、やはりその強い粘着力は扱いが大変。取り扱うときは慎重に……


現在はデザインが新しくなっています。これは強力タイプ。太さも10mmや15mmなど選べます

おとでんの日常

ある日の一コマ。1月から2月にかけて札幌で展示をしていたおとでん。せっかく北海道に来たということで、夕食に海鮮料理屋へ。刺盛りを注文したものの、それぞれのお刺身は人数分には少し足りない……(刺盛りって、なぜかだいたいそうなりますよね。)そこで開催された刺身ドラフト会議。各々が1位指名を「せーの」で指す……と、見事に全員バラバラの刺身をゲット! 5巡目まで一切揉めることなく、それぞれが好きなお刺身を堪能したのでした。


札幌で堪能したお刺身

かれこれ10年弱この部活が続いているのは、案外こういうことが理由なのかもな、と思った瞬間でした。


おとでん通信第1回、いかがでしたか? 2回目以降もみなさんの「自分のためのものづくり」をサポートできるよう、丁寧に楽しく説明していきます。

次回もお楽しみに!