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2021.01.29

おとでん通信 #9|メイカーのためのzine「おとでん新聞」の作り方

Text by editor

こんにちは!

乙女電芸部では、2019年からオリジナルzine「おとでん新聞」を製作・発行しています。zineとは、個人でつくる趣味の雑誌のこと。2019年、2020年と、実際に手に取って見てもらえる場=Maker Faire Tokyoにあわせて新作を製作していて、毎年とてもご好評をいただいています。

こんな感じのA4裏表印刷のzineを販売していました。今回は、メイカーに限らず、さまざまなグループやサークルの方に参考にしていただけるかもしれない、オリジナルのzineの作り方をご紹介します。

さっそく「おとでん新聞」の一部をご紹介!

見た目の質感はこんな感じ! 乙女電芸部ならではの、電子工作関連のおもしろコンテンツをふんだんに詰め込み完成しました!


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電子工作をマスターするまでの旅を、すごろくにしました! 途中でハプニングもたくさん…

どんな仕上がりにしよう?まずはイメージを固めよう!

どんな内容のzineを作るかと同じくらい重要視したのが「仕上がりのイメージ」です。

乙女電芸部といえばハンドメイド。そこから連想して、クラフト紙のzineをつくるのはどうだろう? というアイデアが出ました。おとでんの作品に一貫してあるハンドメイド感や柔らかい世界観をzineでも同じように表現するため、あえてカスレや色ムラの出る印刷法を採っている株式会社JAMの「レトロ印刷」を利用することにしました。

レトロ印刷について、詳しく知りたい方はこちら!
https://retroinsatsu.com/

印刷物は大変!作成の流れを頭に入れよう

①zineの内容を決める
漫画コーナー、おすすめ工具、○○のtipsといった具合にざっくりとネタ出しを行います。この時点で内容が具体的に見えていなくてもまずはメンバーに意見を聞いてみて、良いね!と思えるもの、構想が膨らみそうなものを採用。普段の電子工作とは少し趣向が違う、紙ならではの遊びということで、今年はすごろくなど、コロナ禍でお家でも楽しめるものを少し意識して取り入れました。

②役割分担
スムーズに進行するため、役割を決めていきます!
・編集長(1人):大まかなネタ出し、台割決め、担当割り振り、大まかなスケジュール作成など
・原稿作成担当(4~5人):各自任されたネタについて原稿を作成
・入稿データ作成担当(1人):入稿データ作成、気になる部分の修正依頼、入稿など
この他にも役割は色々とありますが、この3つの役割は分担して決めていったほうがスムーズです。

③紙とインクを決める
ウェブで見ただけでは紙の質感・厚み、紙とインクの相性(読みやすさ)はわからないので、事前にサンプルを取り寄せることを強くお勧めします。今回は、事前に取り寄せた色見本をもとに使いたいインクを数色に絞り、さらに使いたい紙とインクを指定したカラーチャートを取り寄せて、最終的に使うインクと紙を決定しました。たくさんの紙やインクの見本が届くと、とってもワクワクします!

④台割を決める
どのネタをどれくらいのサイズで配置するかを決めます。おとでん新聞では、表は1面まるまる特集記事、裏面はさまざまなネタを配置という構成にしました。ちょっと大きいかも? と思いましたが、手書き感を生かした原稿になるので、結果的にはちょうどよいサイズ感になりました!

⑤スケジュールをひく
各自別の仕事をしているので、余裕を持ったスケジュールを引きました。今回はMFTで販売予定だったため、MFT当日から逆算してざっくりスケジュールを引きました。ざっくり1.5ヶ月前からの準備が必要でした!

・1.5か月前:原稿作成開始
・その途中:ラフをメンバーに共有
・16日前:原稿提出締め切り
・その途中:入稿データ作成
・12日前:入稿予定日
・5日前:受け取り希望日

⑥原稿作成
原稿作成は各々のペース・手段で進めました。Adobe Illustratorで作る人、Pagesで作る人、手書きの人…色々いました。原稿提出締め切りまでにラフをslackで共有するようにして、不備・不足はないかメンバー同士チェックしました。意外とここでミスが見つかるものなので、注意…!

⑦データ作成・入稿
集めた原稿をレトロ印刷の入稿データのルールに従い、Adobe Illustratorで配置します。今回は2色刷りのため、それぞれの色に分けてデータを作成しました。修正点があれば原稿作成者に戻し、対応してもらいました。

⑧zineが到着
手元に届いた実際のzineは思っている以上に可愛く、テンションが上がります!! 当日の販売価格、展示方法(100均で手に入るA3のハードタイプのカードケースがおすすめ)などを決め、Maker Faire Tokyo当日を迎えました。

そうして完成したzineはこんな感じ!
クラフト紙のイメージを活かして、書きたいことも全部詰め込んだ、とてもいい感じのzineが完成しました。当日はサンプルを用意して、実際に手にとってご覧いただき、たくさんの方に買っていっていただきました。

このzineは、乙女電芸部にしてはめずらしいアナログな取り組みですが、だからこそこれまでとは違った層の方にも多く手に取っていただいたように思います。特に、なんとなく電子工作に興味があったという20~30代の方から「こういう情報ほしかった!」という声をいただいたり、一方で「電子工作とかよくわからないけど可愛いから購入した」というかたも少なくはなく、皆さんの電子工作の第一歩になれたかと思うと、我々としても作り甲斐を感じています!

zineは、こちらからお買い求めいただくことができます! ご興味をもっていただいた方は、ぜひ1枚どうぞ。

https://otoden.thebase.in/items/34627761

電子工作初心者におすすめの秋葉原MAPが載ったVol.1も販売中です!

ご購入いただいた方が、こんなふうに遊んでくれました。ロボットなどと組み合わせて遊んでも楽しそうですね!

おとでんの日常

2021年になり、新たな日常にも慣れてきた今日この頃。リアルなイベントも少しずつ増えてはいますが、乙女電芸部では引き続きリモートでの活動をつづけていきます! オンラインワークショップ第二弾の準備も進めていますので、また近々みなさんにご案内します。ぜひご参加ください〜〜。着々と進めています。新作ができたら、こちらの連載でお披露目したいと思います!