2020.12.11
おとでん通信 #7|Maker Faireの効率的な出展準備と魅力的なブースの作り方
こんにちは! 10月はメイカーたちの一大イベント、Maker Faire Tokyo(以下、MFT)が開催されましたね。私たち乙女電芸部は、いつもはその場でのハンズオンワークショップをメインに出展しているのですが、今年はおうちで電子工作×手芸を楽しんでいただけるキットを沢山つくり、それを販売するブースという形で出展しました。
出展者の数を通常から絞り、感染対策を行って開催されたMFTでしたが、また違った趣(おもむき)があり、私たちはいつもと同じように楽しい時間を過ごすことができました。
今回は、そんな恒例行事であるMFT出展に至るまでをまるごと記事にしてみました! 今後出展される方、見に来られる方も、参考にしてみていただけると幸いです。
目次
・Maker Faire Tokyoへ出展しよう!
・MFTにピッタリ!ブースのつくりかた
・おとでんの日常
Maker Faire Tokyoへ出展しよう!
①まずは出展申し込み!
MFTは今年は10月開催で、6月に出展申し込み締切がありました。例年は8月に開催されて、5月初旬の締切です。申し込み時に提出するものは以下のとおりです。
– 出展者名
– 代表者名
– 連絡先
– 出展者プロフィール
– 出展区分*
– 作品名またはプロジェクト名
– 出展内容の紹介文
– ウェブサイトURL
– Twitterアカウント
– 出展カテゴリ希望
– 写真のURL
– 動画のURL
– 会場への持ち込み作品・機材
– 必要な最大電源容量(W数)
– スペース
– テーブルの数
– 椅子の数
– 展示音量の目安
– 展示スペースの明るさ
* 出展区分では、①企業出展、②Commercial Maker、③Makerのどれかを選択します。Makerは純粋な展示のみ、Commercial Makerは展示物の販売をすることができます。区分によって出展料が異なります。乙女電芸部ではキットの販売や材料費をいただくワークショップをおこなうので、Commercial Makerを選択しています。
こんなにたくさんの項目があります!!!
展示は3ヶ月先ですが、5月の段階で何を出展するか、具体的な展示内容が決まってないといけません。また、Maker Faireでは、出展申し込み数が会場のキャパシティを超えた場合、抽選制ではなく、事務局による選考が行われるので、なるべく魅力的な内容をここで提示しないといけません! 実際に乙女電芸部は、一度前年と同じような内容で申請をしたところ、落選してしまった年がありました……。そのときの悔しさをバネに毎年新しい作品やワークショップをつくっています!
5月初旬に締め切りなので、乙女電芸部ではいつも4月にアイデア出しを行い、ゴールデンウィークの前半に集まって作例をつくり、写真を撮影します。
ある年のブーススケッチ。この時点ですべての出展物をリストにするため、ブースレイアウトを決めてしまいます
②早めに済ませよう! 展示物の準備
無事に出展が承認されたら、展示物をつくります。
出展承認のあとに、もう一度展示物について危険物が含まれていないかなどの確認があります。危険物でも展示に使っていいものといけないものがあるので、確認して申請します。危険物を使用しない場合でも、作品にどんな電源を使うか、など、細かい申請をする必要があります。例えばリチウムイオンバッテリーで動かすのか、乾電池で動かすのかなどを明記します。
乙女電芸部では過去に、UVレジンをMFTでのハンズオンワークショップで使用したことがありました。UVレジンは危険物に該当するので、出展中にどこに設置するか、レイアウトを記載して事務局に提出しました(当日そのとおりに設置されているか、事務局の方の立会いのもと、消防署の方の確認がありました)。
③直前になりがち…… 搬入/搬出の準備
MFTでは大きくわけて3つの搬入/搬出方法があり、それを選んで事前申請します。
– 車両での搬入
– 宅急便での搬入
– 手持ち搬入
宅急便の場合は自分のブースまで届けてくれるのでとても便利ですが、ブース番号を記述したり、事務局が配布している荷札を貼る必要があります。また、到着締め切りが早めに指定されているので、前日ギリギリまで作って発送! というわけには行きません。余裕を持って制作しましょう。
また、毎年搬出時の宅急便カウンターは長蛇の列になります……。スーツケース一つにおさまるようにして、手持ち搬出をしてしまうのがおすすめです!
ある年のダンボールたち。この年は13個になりました。この数だとカウンターに持っていくのも一苦労です
④忘れずに! お金の準備と管理
Commercial Makerで販売などを行うためには、おつりの準備などが必要です。特に100円玉は多めに用意しておいて損はありません! コインケースやミニ金庫に入れたり、ポシェットに入れて身につけるなどして、盗難対策もしっかりしましょう。
レジの計算や売上管理にはSquareというアプリを使っています。乙女電芸部では現金管理のみに使っていますが、カードリーダーを用意すればカード決済にも対応できるので便利です。
今年から乙女電芸部ではPayPayでのQR決済にも対応しました。QRで支払っていただくとすぐにアプリに通知が飛んでくるので、支払い忘れや二重決済なども防げるようになっています!
MFTにピッタリ! ブースのつくりかた
そうして迎えた当日。
準備した作品や新聞を手にとっていただきやすいよう、ブースづくりを行っていきます。メインでやることは、(1)展示台に作品や売り物を設置していくこと、(2)ポップをつくり設置していくこと、(3)ブース全体の見栄えを整えること、この3つ。これらを、ブースに足を止めていただけるよう、また、足を止めていただいた方にパッと何をしているかが伝わるよう、限られた時間の中で工夫してやり切る必要があります。
(1)展示台に作品や売り物を設置していく
展示台は、保護と装飾のため何かしらのシートやテープを設置しています。いつも心がけているのは、全体をとっつきやすい雰囲気にするため、パステルカラーをベースに原色を差し色として配置していくこと。今回は、パステルグリーンのマスキングテープを展示台に貼り、ピンクの養生テープでいろいろなものを固定していきました。
意外ととっても大事なポイントは、段差をつけて見やすくすること。平面的なブースだと、遠目から見て何が行われているのかわかりづらいですし、つくったものも、手に取ってもらいづらい感じになりがちです。特に、私たちのような細々したものを取り扱うブースにはメリハリが重要。ごちゃごちゃしていて、何が何だかわからないということを避けられます。
今回は、キットを入れてきたタッパーや、紙コップを活用して段差をつけていきました。ただ平面的に並べるより、見ていて楽しい配置になると思います。
(2)ポップをつくり配置していく
ものの配置が終わったら、次はポップづくりです。私たちは、展示品と売り物が混在し、さらに同じ場所でワークショップをやることも多かったので、それぞれの内容が伝わるように色分けしてポップをつくるのが定番でした。今年はキット販売のみだったので、値段がはっきりと伝わることを重視して、色や書く場所を統一してポップを制作しました。
今回のブースで気をつけたことは、出来上がりがどういうものかすぐに伝わるようにすること。具体的には、作例の写真を切り抜き、すぐ目に入る形でポップの横に取り付けておきました。ブースに来てくださった方に作例の写真や実物を見せながら説明できたので、とても便利だったと思います。
さらに、販売物がある場合は、現金以外のPayPayなどのQRコードが設置してあるととても便利でした。加えて、このmakezine.jpの連載のQRコードも発行し、合わせて設置しておいたのですが、たくさんの方に読んでいただくことができました! スマホ端末で読み込めるQRコードは、決済系に限らず、自分のサイトやInstagramアカウントなども発行して展示台の手前に置いておくと、コミュニケーション手段としてとても良いものだと思いました。手元で操作してもらうものなので、展示台の一番手前に配置するのがポイントです。
(3)ブース全体の見栄えを整える
だいたい配置が終わったら、全体のバランスを見て位置を微調整。ブースの位置によって、一番目に留まりやすいものを左右のどちらに置けばよいのかは変わってくると思うので、人の動きをみて配置を直すこともあります。
そうして完成したブースがこちら!
出展者名が遠くからわかりづらいので、突貫で名前を大きく書いた看板をつくりました。名前を見て来てくださる方が幸いにも少なくないので、毎年きちんとやるべきだなと思っています。出展者によっては、名前をレーザープリンターで彫り込んだ立派な看板をつくって設置している方もいらっしゃいますね。
反省としては、展示台の下を隠すシートがなかったこと。どうしても在庫やものを入れてきた箱などが発生しますが、遠目から見て不格好なので、来年以降は隠したいと思っています! 布を設置するときはビッグサイトの安全基準上、防炎機能があるものでないといけないのですが、パステルカラーなどでいいものがないかなあと探し中です。
今年もとっても満足ができるブース運営ができました! もちろん細かい改善点はたくさんあるので、来年にも活かしていきたいと思います。
来てくださった方、ありがとうございました!
おとでんの日常
MFTという年に一度の大イベントを終え、現在は次の作品やワークショップなどの構想を練っている日々です。なかなか全員が直接集まって作業するのは難しいですが、こうした日々でも、何か新しいものを生み出していければと思っています。