Electronics

2011.09.28

回路タトゥー – ギークファッションの新次元

Text by kanai


ニューヨークで地下鉄に乗っていたとき、ウィリアムズバーグ系のヒップスターが入れていたこのタトゥーが目に入った。降りる駅が近づいていたので、彼とはほんの少ししか話ができなかったが、彼によると、それはギターアンプの完全な回路図だということだ。技術の現場では短命に終わる回路図が、ヒップスターのタトゥーアートに昇華していたのかと知って感慨深いものがあったが、その一方でがっかりしたこともあった。聞けば、彼はミュージシャンで、腕に彫られた記号の意味はまったくわからないのだそうだ。
私が妻と出会った最初の夜、彼女の手首に交流電源を表す回路記号が彫られていたので、彼女は「守護者」なのかもしれないと思ったことがあった(とくに、彼女のMySpaceの趣味欄には「ハンダ付け」と書かれていたし、交流と直流の違いを正確に説明できることを知った後はね)。
回路図のタトゥーは、単にヒップな流行になってしまったのだろうか。現代文明が滅亡した後に情報を残すために体に刻みつけたのではないのか。意味不明の異国のマークや文字と同じ、ただの流行に過ぎないのか。
– Michael Colombo
訳者から:「台所」ってタトゥーを入れてるアメリカ人がいたって、友人が教えてくれたなー。LED点滅回路ぐらいのものが彫ってあったら、むしろ「守護者」と思えるかもね。
原文