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2011.09.29

Zero to Maker(ゼロからのMaker):レーザーカッターを習う

Text by kanai


これから1カ月ちょっとの間、ちょっとヤル気のなかったMaker、 David LangがMakerカルチャーに身を沈め、我らの仲間、TechShopの寛大なるご協力のもと、できる限りのDIYスキルを習得していく様子をレポートします。彼は、何を学んだか、誰に会ったか、どんなハードルをクリアしたか(またはしなかったか)など、奮闘努力の過程を定期的に報告します。きっと面白いものになるよ。 – Gareth

「これはほんの手始めです。紙のほかに、ガラスを彫り込んだり、アクリルを切断したり、皮に焼き付けたりもできます。チョコレートに模様を描くこともできます」と、私のTechShopのドリームコーチで、このZero to Makerの旅の案内人であるZackは説明を続けた。彼は今日、レーザーカット基礎コースの代理講師を務めている。
「ちょっと待って。チョコレートって、ウソでしょ?」と、私は彼の言葉が信じられずに聞き返した。「レーザーで溶けないの?」
「いや、きれいにできますよ。私は、チョコレートにレーザーで絵と詩を彫って、去年のバレンタインデーのプレゼントにしたんだけど、彼女は私がギラデリのチョコレート工場で特別な型を作って、それをこしらえたんだと思い込んでましたよ。だけど、それは仕事が終わったあと、ほんの5分間で作ったものだったんです。フリーザーのチョコレートを冷やしてあるから、あとでみんなで試してみましょう」とZackは答えた。
そして実際に、受講者全員が、自分の名前をレーザーで彫り込んだチョコレートをほおばることとなった。
この旅を始めたときは、そんなにすぐにはクールなものを作れるようにはなれないだろうと予測していた。いろいろな工具や製作技術を見せられても、それを自在に使いこなせるようになるまでには何年もの訓練を要するものだと覚悟していた。ところがうれしいことに、TechShopのレーザーカット教室は、そんな考えを吹き飛ばしてくれた。
最初は、みなさんのご想像どおり、安全に関する注意、機械の概要説明(スイッチのオンオフ、レンズの掃除、方向など)で始まったが、そのあと、Zackは私たちに2台のマシン(彫刻用と切断用)を自由に使わせてくれた。学習プロセスとして、これほど簡単なことはない。なにせ初めてのことだから、私は少々当惑した。CADやらなにやら、技術的な知識や体験がなければ扱えないものだと思い込んでいたから、ちょっと怖かったのかもしれない。しかし、そんなことはまったく関係なかった。マシンはAdobe IllustratorやCorel Drawに連動して動く。文字をタイプしたり、絵を描いたり、または画像を読み込んで、それをマシンに送ればいいだけのことだった(多少の調整はあるが)。
使い方の簡便さもさることながら、レーザーカッターでできるアイデアが頭の中に大量に浮かんできたことには驚いた。財布をカスタマイズしたり、私が予定している焼き物プロジェクトの型を作ったり、Zackのアイデアをいただいてガールフレンドにチョコレートをプレゼントしたり。このレーザーカッターの体験は、OpenROVプロジェクトにも貢献した。OpenROVの発案者であるEric Stackpoleは、ROVのフレームを1枚の1/4インチ厚のアクリル板(24×18インチ)から切り出して作れるように設計を変更した。主要部分を熱で曲げるだけで、あとははめ込み式で組み立てられる。いくつものパーツを作ったり接着剤を使ったりする手間がなく、コストは大幅に削減できた。これはプロジェクトの目標のひとつだ。それにこれなら、早く簡単に、いくつでも作れる。
TechShopの レーザーカット基礎コース(Laser Cutter SBU)は2時間の講習で料金は60ドル。これで自分の人生にレーザーカットという創造の選択肢が加わる。レーザーカッターというものがまだよく理解できない人にも、ぜひお勧めだ。このマシンの能力を知れば、創造性が格段に広がる。
ところで、Nortd Labsは、オープンソースのレーザーカッター、Lasersaurの開発を進めている。近い将来、一家に一台レーザーカッターという日が来ないとも限らない。今のうちに使い方を習っておいて損はない。
これまでの話はこちら:Zero to Makerの旅
– David Lang
原文