2015.02.17
600ドルのプリンターが2万ドルのプリンターに勝てるか?─ 仕上がりとコストを比較
インターネットとは本当に面白い場所だ。2人の見知らぬ同士が、驚きのオモチャを持ち寄って競争をしてくれた。こんな面白い話は伝えないわけにはいかない。かたやScott Hanselman。600ドルのPrintrbot simple metalを2週間前に買ったばかりだ。対するはBrandon Potter。2万2000ドルのStratasys Uprint SE +を所有している。彼らは同じファイルを使ってプリントを行い、その結果を公表した。
第一のステップは、双方のプリンターの性能比較だ。
Stratasys Uprint SE+
この情報は、Potterのブログから直接引用した。:
- uPrint SE Pro PrinterおよびDissolving Bath – 約 22,000ドル
- モデリング用素材1スプール(黒) – 205ドル(1インチの立方体が42個作れる)
- サポート材用素材1スプール – 200ドル(42立方インチ相当)
- ビルドプレート1箱 – 24枚入りで125ドル(ひとつプリントするごとに1枚必要なので、1回のプリントで5.20ドルかかる)
- Soluble Concentrate – 12本で149ドル(サポート材を溶かす液体。Dranoと同じもの)
- サポート – 年間2,000ドル(よく故障するため)
これに送料を加えると、約2万5000ドルでコーヒーカップがプリントできるということになる。
Printrbot Simple Metal
この情報は Hanselmanのブログより引用。
- Printrbot Simple Metalアマゾンから599ドルで購入。
- Raspberry PiおよびRaspberry Camera – Octoprintを使ってプリントの様子をタイムラプスで撮影するため。60ドル。
- RioRand 1スプール – 1.75mm PLAフィラメント(黒)28ドル。
- デジタルノギス – 計測用。20ドル。
次はファイルの選択だ。彼らが選んだのは、このコーヒーカップ。BarspinがデザインしてThingiverseで公開しているものだ。
そんなに複雑なものではない。インターロック機構もないし、スライドパーツもない。しかし、曲面や、かなりのオーバーハングがある(詳しくは後ほど)。
レース開始!
先にプリントを始めたのはPotterのUprint SE+だ。
その細かい工程は、彼のブログで多くの写真とともに丁寧に説明されている。少しだけ紹介しよう。
出来上がった結果がこれだ。
この時点で、彼はこのプリントを比較のためにHanselmanに送った。
ほんの2週間前にPrintrbot Metal+を買ったばかりのHanselmanだが、準備はできていた。彼のプリント工程も、彼のブログで詳しく見ることができる。
結果は、Hanselmanが撮影した下の写真を見るとわかるが、ほとんど違いがない。Printrbotの解像度は1レイヤーが0.2ミリで素材はPLA。Uprintのほうは解像度が0.1ミリで素材はABSだ。
このテストの結果、プリントにはほとんど違いがないことがわかった。コストは大幅に違うのだが。プリンター本体の価格だけでなく、素材の価格も違う。Hanselmanはこうまとめている。
1回プリントした限りでは私のプリンターでは21.02メートルのフィラメントを使いました。おそらく2ドルか、テープの価格も加えれば、もうちょっとでしょう。Brandonは業務用のプリンターを使いました。彼が使った直接的コストは、素材に23.62ドル。サポート材に2.06ドル。ビルドプレートに5.20 ドル。トータルで、カップひとつあたり30.88ドルでした。
興味深く有用な実験だったが、プリンターにもっと負担のかかるファイルでの比較も見てみたかった。たとえば、Hoekenが製作したこんなブレインギヤなどだ。融解式のサポート材ならうまくいくだろうが、Printbotで一度にプリントするのは難しいはずだ。
[原文]