Crafts

2015.02.27

壊れたプリンターで出力したようなO’Reillyの技術書の手描きの表紙

Text by Andrew Salomone
Translated by kanai

colophon 21 Hand drawn Book Covers Look Like They Came Out Of A Broken Printer

技術書の出版社であり、Make Magazineの創刊時の版元(編注:現在はMaker Media社として独立)であるO’Reilly Mediaでは、30年近くにわたって技術書の表紙にDover Pictorial Archiveの動物のイラストを使っている。その間、それらの動物が棲む世界の環境が激変したのと同じように、書籍に書かれる技術の内容も大きく変化した。デジタル技術の変化は、自然界の変化をそのまま写しているかのようにも感じられる。アーティストのJoshua Caleb Weibleyは、そんな O’Reilly Mediaの本の表紙を題材にした作品を製作し、Colophon(奥付)と題された展覧会に出展する。

19世紀以来、Dover Pictorial Archiveに描かれた動物の一部はすでに絶滅したか絶滅の危機にあります。同様に、動物を表紙にした技術書の内容も、時代遅れになったものがあります(Windows 98のガイドや最近ではWindows XPなど)。そのため、すべての本が現在も印刷されているわけではありません。もし、機械が有機生命体に感情移入できて関係性を意識できたとしたら、動物の絶滅や減少を自分の製品サイクルや共通言語基盤の代替に置き換えてみることになるでしょう。

 Hand drawn Book Covers Look Like They Came Out Of A Broken Printer

colophon 51 Hand drawn Book Covers Look Like They Came Out Of A Broken Printer

colophon 41 Hand drawn Book Covers Look Like They Came Out Of A Broken Printer

colophon 31 Hand drawn Book Covers Look Like They Came Out Of A Broken Printer

Weibleyの見事な手描き作品は、自然と機械の独特な関係を、あたかも壊れたプリンターで出力したような美的感覚で表現しようとしているようだ。この意図的な対比は、作品の内容と大きく関連している。彼は自身の紹介文も同じ手法で描いている。

出版物の奥付には、出版した場所や発行人や日付など、本に関する簡単な説明が奥付に書かれます。

colophon text Hand drawn Book Covers Look Like They Came Out Of A Broken Printer

おそらく、もっとも衝撃的な部分は、Weibleyの作品がO’Reilly Mediaの視覚的ブランドを使って自身のオリジナル作品にしているところだ。これはO’Reilly Mediaが推進するオープンソース運動のコンセプトを反映しているようでもある。

“Colophon” は、ワシントン州シアトルの Veronicaで開催される。期間は2015年4月中。Weibley の作品は彼のウェブサイトでも見られる。

原文