Crafts

2017.02.20

チップソーの基本

Text by Gareth BranwynTranslated by kanai

丸鋸、テーブルソー、ラジアルアームソーのチップソーはどれも同じだと思っているかも知れないが、実際に見てみると、その種類の多さに怖じ気づくだろう。だが、基本的な用語とその意味を知り、素材、刃のタイプ、歯数、その他の技術的知識を持てば、もう怖くない。

チップソーを選択する際に知っておくべき用語を紹介しよう。

用途 – どのタイプのノコギリで、どのような材料を切るかをよく知っておく必要がある。いろいろな種類のチップソーがあるので、材料との組み合わせでその切れ味が決まる。ここでは、材料ごとに対応する一般的なチップソーを紹介する。おもに同じ材料を多く切る場合は、それに対応したチップソーを購入するのがよいだろう。

刃数 – チップソーの刃の数も切れ方に影響する。刃が多いほど滑らかな切り口になり、少ないほど一度に切れる量が多くなる。横挽き用のチップソーは、繊維を横断して切るために刃が多く、切り口は滑らかになる。縦挽き用は繊維に沿って切るためのもので、刃の数は少なく、速く切れる。

刃袋 – 刃袋とは、歯と歯の間のスペースのことだ。刃袋が広いほど切り屑が大きくなる。

刃型形状 – 刃の形状も切れ味に影響する。刃型形状は、横挽き、縦挽きのほか、合板、MDF など切る材料によっても異なる。標準的な形状には、縦挽きに適した平刃、横挽きに適したチドリ刃、どのような素材にも対応できる、平刃とチドリ刃を組み合わせた組刃がある。

すくい角 – 刃 (すくい面) の角度は、チップソーの中心線に対する角度を示すものだ。すくい角が正のときは刃は前に突き出す形になる。負のときは刃は後ろに寝た感じになる。正のすくい角が大きいほど、攻撃的なチップソーとなる。

チップソーを購入する際の参考になるYouTube動画を紹介しておこう。チップソーに関して、より詳しい説明がなされている。

「Canadian Woodworking」にも入門者用の優れた解説がある。なかでも、テーブルソー、マイターソー、丸鋸のチップソーの選び方のコツを教えてくれるので便利だ。

・刃数の多いチップソーは切り口が滑らかになる。刃数の少ないものは速く切れるが、切り口が荒れる場合がある。刃が多いほど切れる速度は遅くなる。
・どのタイプのチップソーであっても、刃に切り屑やヤニがこびりつく。これは専用の洗浄剤を使って清掃する。洗浄を行わないと、材との間で摩擦熱が発生して、木材に焦げ跡を残すことにもなる。
・縦挽き用のチップソーで合板、メラミン、MDFを切ってはいけない。切り口が裂けて荒れてしまうからだ。横挽き用を使うか、より高性能な組刃を使うとよい。
・マイターソーで縦挽き用のチップソーを使わないこと。切れ味が悪いばかりか、危険だ。かならず横挽き用を使う。

品質

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左はレーザーカットで作られたチップソー。刃が厚い。右は型打ちの刃が用いられたもの。スリットの先端が丸い穴になっている。

一目で品質を見分ける方法がある。上質なチップソーはカーバイトや鉄をケチってはいない。長く使えるチップソーは、数回の目立てに耐えられるものだ。安いチップソーは刃が型打ちした薄い鉄製だ。スリットの先端に丸い穴のあるものは古い技術で作られている。音もうるさい。

(出典:Popular Woodworking

タイプ

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上が縦切り用、下が横切り用。

テーブルソー用の標準的なチップソーは2タイプある。縦挽き用と横挽き用だ。縦挽き用は刃数が少なく、刃袋が大きい。つまり、より多く切り取れるということだ。これは材の繊維に沿って切るように作られている。切る速度は高いが、切り口はやや荒れた感じになる。

切り口を滑らかにしたい場合は横挽き用のチップソーを使う。横挽き用は刃数が多いため、刃と刃の間隔が狭く、それだけ一度に切り取れる量が少ない。なので、切る速度はずっと低くなる。

速度と滑らかさの両方が欲しいときは、組刃を使うとよい。その他に、特殊なチップソーもある。合板、硬木、金属、プラスティック、レンガなど、切るものに適したものがある。また、ホゾ取専用のチップソーもある。

(出典:The Sharp Cut

刃数

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上が横きり用、下が縦切り用。

一般に、刃数の多いチップソーほどきれいに切れるが熱を持ちやすい。オーバーヒートを避けるためには、縦挽きの場合、材の厚さに対して刃が3つから5つ入る程度、横挽きの場合は5つから7つ入る程度と覚えておくとよい。

適正な刃数の割合を保つには、材に対してなるべく少なめの刃数にすることだ。もうひとつ、チップソーの高さを調整する方法もある(ブレードガードを置いた状態で)。チップソーを高くすれば、それだけ材の中に入る刃数は減り、すくい角も鋭くなる。つまり、より強力に材に食いつくことになる。ただし、切り口は荒くなる。

(出典:Popular Woodwoorking

刃厚と本体厚

刃厚、つまり切りしろも、考慮しておくべき重要なポイントだ。当然のことながら、切りしろの部分だけ、材は失われる。しかし、切りしろが少なければ経済的でよいというわけでもない。刃厚はチップソー本体の厚みに関係している。ある程度の厚みがあって、しっかりとしているチップソーが望ましい。

刃厚の薄いチップソー – 刃が材の中を切り進むためには、ある程度の切りしろが必要になる。また、チップソー自体が確実に、美しく材を切断するためには、本体は振動と熱を吸収する必要がある。標準的なチップソーの刃厚は3ミリ程度だ。だが、あまりパワーのない機械 (3hp未満のテーブルソー) では、刃厚3ミリのチップソーはパワー不足で問題が生じる。十分なパワーが刃に伝わらないと、回転が遅くなり余計な抵抗が生じるようになる。そしてチップソーが過熱して材を破壊するか焦がしてしまう。

(出典:WoodWeb

スロットの意味

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スロットが入っているチップソーが多いが、これによってチップソーはわずかながら伸縮でき、正確な切断が可能になるのだ。

(出典:Canadian Woodworking

原文