Electronics

2017.06.28

Raspberry Piで自動管理する生きたサンゴを植えた海水アクアリウム

Text by Caleb KraftTranslated by kanai

生きたサンゴを植えた美しい海水アクアリウムに憧れる人は多い。しかし、リーフタンクとも呼ばれるこの小さなエコシステムは、淡水魚の水槽に比べて、維持管理がとても面倒だ。仕事は水槽に水を入れるだけでは済まない。サンゴが生きてゆけるよう、サンゴたちの生まれ故郷と同じ環境を保ち、常に最適な水質のバランスをとってやる必要がある。水温、照明(明るさと波長の両方)、塩分濃度、アルカリ度、さらに水流にも目を光らせていなければならない。シンプルなものでも多くの手間がかかるのだが、この傷つきやすい美しい生き物を育てようと、あえてシンプルではない方向に進む人たちが大勢いる。

Ranjib Deyはリーフタンクの愛好家で、その健康な環境を保つためのたくさんの作業を自動化するシステムを開発している。自動化されたリーフタンクはすでに市販されているが、大変に高価であり、システムがクローズドなため改造ができない。しかし、我々はMakerだ! 自分で作っちゃえばいい。幸いなことにRanjibが、これまでの開発の成果をGithubでシェアしてくれている。

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このプロジェクトは現在進行中で、どんどん大きくなっている。現時点での機能は次のとおりだ。

・AC 110/220ボルト用の機材コントロール(随時、またはタイマーによる周期的な操作)
・DCポンプの水流とLED照明の強度のコントロール(PCA9685 PWMドライバーを使用)
・夜明けから日没までの照明の設定
・水温およびpH、ORPなどの統合センサー(MCP3008 A/Dコンバーターを使用)
・自動写真撮影(Raspberry Piカメラを使用)
・タッチスクリーンとウェブベースのインターフェイス(タッチスクリーンで直接Piをコントロール、またはウェブUIでモバイルやタブレットからコントロール可能)
・Adafruit.ioで統合(水温などのデータは adafruit.ioに送られる。その中でダッシュボードやトリガーを設定できる)
・PIDコントローラーで水温の安定化やその他の要素の安全対策が可能

pico_wiring

完全な部品表(BoM)がここにあるので、自分で作るときの参考にしてほしい。と言っても、リレーとA/DコンバーターとRaspberry Pi 3ぐらいなものだ。ここにはリーフタンク自体は含まれていないので注意してほしい。無から始めようとすると、照明や濾過装置などの機材でずいぶん費用がかかることになる。

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コミュニティをフォローすると、人々が話している内容からプロジェクトの進行具合を知ることができる。Ranjibがプロジェクトの様子をシェアしているリーフタンクのフォーラムでは、寄せられる意見の大半は好意的だ。このフォーラムでは、水槽の大きさを表す場合、サンゴの大きさとの対比であることを知っておくとよいだろう。なので、190リットルの水槽でもスモールサイズとなる。Ranjibが実験に使用しているのは、ナノからピコサイズの水槽だ。

小さい水槽のほうが、大きな水槽に比べて水温や塩分濃度の変化が早いため、実験には向いている。管理自体は大きな水槽のほうが楽なのだが、Ranjibの実験には小さいほうがいい。

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Ranjibの美しいサンゴやその他の生き物を眺めるだけで十分という人は、彼がマクロで撮影した写真が Flickrのページで見られる。見るだけでも楽しい。

原文